/ 2014/11/28
夕焼けのような、赤いジャケットが眩しい野狐禅のラストアルバム。東京に夢を見た若者が、東京に飲まれ、東京に堕落し、東京に散って行った。そんな人間劇場を彼らは見せてくれた。野狐禅というセルフタイトルからして、このアルバム発表時には彼らは解散を決めていたのだろう。最後の力を振り絞り、彼らは自らをたたえた。『よう挑んだ』は、彼らの活動を見てきたものとしては涙なしでは聞けない。解散の報せを聞いた時には、「東京に負けたか…」と、心から残念だったものだ。誰もが同じような気持ちだっただろう。しかしその後、ボーカルの竹原ピストルは、小さなライブハウスを巡り、音楽活動を続けていると聞いた時には「東京に負けていなかったんだ!」と驚いたものだ。ライブ映像をいくつかyoutubeでみることができるが、そこにはダサイおっさんが一生懸命ギターをかき鳴らして謳っている姿が映っている。そのダサさが、不器用さが、あまりにもかっこよくて…。竹原ピストルの人間劇場は今も続いている。
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