/ 2020/03/04
2006年に活動を休止し、現在も沈黙が続いているNANANINEの2ndアルバム。私が人生で一番聴いたアルバムだと思う。新人バンドが持つべき青さ、若さ、焦燥感、そういったものがこれでもかと入っているにも関わらず、結成5年そこそこのバンドではたどり着けないような完成度を誇る、奇跡のような作品。もちろん、2020年にこのアルバムを聴くと、音を古く感じたり、密度が薄く感じたりするだろう。2020年の耳ではキングギドラの『空からの力』を古臭く感じるように、このアルバムも私がつけている点数ほど素晴らしいものに聴こえないかもしれない。だが、2004年当時の私がこのアルバムに心酔したのは紛れもない事実であり、ここに込められているピュアな音は、聴く人の心を十二分に打つのに値するものだと思う。
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