/ 2014/10/25
前作『Lost Decade』に比べて、サウンドが鋭利になっていますね。
サウンドもボーカルの加工も、どこか耳に引っかかりますよね。
バッキバキのDJがパーティを高揚させるためのひっかけかたではなくて、カジキマグロを釣るようなこれ見よがしなでっかい釣り針ではなくて、
ガラパゴスの島国で作られた音楽である、という前提や謙遜がありつつ、「これはガラパゴスな音楽なんだ!」という想いがささくれのような形をしているように感じます。
ものすごくわかりづらい話になってしまいました。
このアルバムには正解ではない音がいっぱい入っています。
でも不正解である音は入っていません。
曲の完成というゴールがあるとします。
たとえばダーツの中心がそのゴールだとします。真ん中を打ち抜いたら完成。
普通は何度もダーツを投げて、一番真ん中に近いものを採用する。
それか、天才にはゴールまでの道筋が見えていて、ただその道筋をなぞるだけ。
このアルバムに関しては、ダーツの矢を手に持ったまま真ん中を射抜いて、そのまま力を緩めずに裏まで矢を貫通させたり、
的の中心と矢を紐でつないで手をパッと放してみたり、
世間一般の正攻法ではない形の正解をいろいろと試している感じがします。
それらが全部ことごとく的を打ち抜いている。だからアルバムとして完成度の高い作品になっている。
とてもレビューではないですね。
でもこれが今作のサウンドが鋭利である理由だと思うのですがいかがでしょう。
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