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川島海荷さんが9nineを卒業して泣きそうだよ 泣きたくなる まだ 泣いてないけど

公開日: : コラム


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拝啓 川島海荷さま

いかがお過ごしでしょうか。
あなたが9nineから卒業してから、はや1ヶ月が経ちました。
ここ数年の9nineは大変なことばかりでしたね。
人気がある時もあれば、ファンにそっぽを向かれた時もありました。

あなたが9nineとして最後に回ったツアー「9nine LIVE 2016 『BEST 9 Tour』」は、EDM路線の9nineから、みんなが大好きだった9nineを取り戻すための戦いの果てにあったツアーだったと思うのです。

―――――

川島海荷さんといえば女優のイメージが強いですが、あなたは2007年から9nineに所属していました。
女優としてブレイクする以前からアイドル活動を行っている、そのことを知らない人からは、「川島海荷の売り方を間違っている」とか「アイドル活動は川島海荷の足かせになっている」といった的外れな意見が飛んでいましたが、あなた自身はアイドル活動をとても楽しんで行っていました。

「行っていました」と過去形なのは、近年、9nineメンバーの口から「アイドル活動が楽しい」という発言がなくなってきていたからです。

初期の9nineは、作曲陣に古川貴浩や高橋浩一郎らを迎えた王道のアイドルサウンドのもとに順調にファンを増やしていました。しかし2012年ごろ、9nineは突如としてEDMに路線変更を行います。ヲタ切りともいえる、あまりの急激な路線変更に、今まで熱心にMIXを飛ばしていたヲタは他アイドルへと推しを変え、徐々にファン離れを引き起こしていきました。Zeppクラスは余裕で埋めていた9nineのライブも、ソールドアウトしなくなることが増えました。

そのころから、9nineメンバーの口から「楽しい」という言葉が聞こえなくなっていました。「楽しい」という発言をしないことは、9nineなりの戦いでした。数年もの間、9nineは運営と戦い続けてきました。

ですが、5人での最後のツアーとなった「9nine LIVE 2016 『BEST 9 Tour』」は、9nineが王道のアイドルサウンドを取り戻し――いや、取り戻していたというよりは、もぎ取った、に近いでしょうか。川島海荷さんが卒業するということでリリースが決定したベストアルバム。同ツアーは、初期の楽曲も収録されている同アルバムのツアーだけあり、会場で鳴っていたのはみんなが大好きだったころの9nineサウンドでした。

王道のアイドルサウンドで歌い踊る9nineは、何よりメンバー自身がとても楽しそうでしたし、みんなが大好きだった9nineが帰ってきたと聞きつけたヲタも大量に現場に戻ってきて、客席も大賑わいでした。近年では聞こえなくなっていたヲタによる大声のコールも、あなたの卒業に花を添えていました。アンコールで一面を埋め尽くした青いサイリウム、あれはヲタがお客さんひとりひとりに配ったものなんです。

そう、このツアーは9nineがもぎ取った、勝利のツアーでした。
「もうお客さんを突き放したりしない」、「みんな、遠回りしたけど帰ってきたよ」、「アイドルって楽しい!」。そんな感情が、アイドルサウンドを取り戻した喜びが爆発していました。
あなたの卒業ツアーでもありましたが、悲しみよりも喜びが会場を満たしていました。
約4年間に及ぶ戦いの末に取り戻したアイドルサウンドは格別の味でした。

最後のMCであなたは「9nineで10年間やらせてもらって、いろんな壁にぶちあたってきたけど、今思えばそれがあってよかったなって思います。だから今の自分がいると思います。9nineがあったから、この自分でいられた気がします。こうして続けてこれたのも、応援してくれたみんなのおかげだし、メンバーやスタッフの皆さん、家族や友達、一人一人に感謝したいと思います」と涙ながらに語りました。

――――――

そんな卒業ライブからもう一か月も経ちました。
10月から『ZIP!』の総合司会を務めることが発表されましたね。
9nineは4人で元気にやっています。
先日のTokyo Idol Festival、ステージいっぱいに人が詰めかけていました。
鳴っていたのは、みんなが大好きなアイドルサウンドでした。

敬具

拝啓 9nine運営さま

最高の形で川島海荷さんを送り出すことができて、運営の皆様に感謝したい気持ちでいっぱいです。
この素晴らしいツアーは、運営の協力なくては実現しませんでした。
EDMに路線変更をした以上、もとのアイドル路線に戻すことは、EDM路線の失敗を意味します。
このままEDM路線を貫き通す選択肢もあったはずです。
それでも、今回のツアーはアイドル路線で行ってくれました。
みんなの大好きな9nineを選んでくれました。
それが最高の卒業ツアーを生みました。
この先、9nineがどんな路線に進むのかはわかりません。
ですが、このツアーの盛り上がり、メンバーの感情、お客さんの喜びを運営が感じてくれたら、この先もずっとみんなを幸せにし続ける9nineであると思うのです。

敬具

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