/ 2019/05/06
どんなに安いスピーカーやイヤホンでも、一聴すると音質の良さにびっくりすると思う。「日本の録音技術の伝道」や「海外との録音技術の差を埋める」といったゴッチの使命感のようなものが産んだ、音質の化け物みたいな作品。これを聴いて、なぜ彼らがソルファを録り直したのかが腑に落ちた。この録音技術にたどり着くための再録音だったともいえるし、リスナーの意識を録音技術に向けるためだったともいえる。アジカンのファンでなくとも、この音質を体験するためだけに聴いてみてほしい。アジカンはこのアルバムの前に『荒野を歩け』という大傑作シングルをリリースしていて、「『荒野を歩け』のテンションでアルバムを録ったら凄いことになるな」という確信があって、しかもアルバムに邪魔な既発のシングル曲はベスト盤に入れるという離れ業もやってのけ、個人的にこのアルバムに対する期待値はめちゃめちゃ高かったんだけど、肝心の曲が『サーフブンガクカマクラ』に近いテイストで、「ファンが求めているもの」よりは「アジカンがやりたいこと」にシフトしていて、本当にこのバンドはひねくれてるなあというか一筋縄ではいかないなあというか、そんなことを思いました。
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