また1位このバンドか、と思われてしまいそうなくらいに、近年はアルバムを出せば毎回1位に選出しているのは決してバンドサイドからの回し者であるわけではなくて、年間180本近くライブに行っている中で最も多くライブを観ているのがこのバンドであるというくらいに好きで好きで仕方がないバンドだからである。
そのサウンドは今作も決して大きく変わってはいない。むしろ佐々木亮介がソロでバンドサウンド以外のジャンルへと突き進んでいることによってフラッド本体でやるべき音楽が完全に定まっているというのが近年のアルバムの共通した内容であるのだが、それでも「月夜の道を俺が行く」の「気付けば結局 佐々木亮介」という歌詞が顕著であるように、フラッドで鳴らすべきサウンドが定まったからこそのフラッドらしさ、佐々木亮介らしさが炸裂しているし、そのらしさこそが1番カッコいいものであるということを感じさせてくれる。それがそのまま「GOOD LUCK MY FRIEND」や「花降る空に不滅の歌を」のアンセムっぷりに繋がっている。
このアルバムの後に早くもリリースされた新曲「ゴールド・ディガーズ」では
「早いし遅いが言うよ 言うだけタダさ 言ってやんよ
武道館 取んだ3年後 赤でも恥でもやんぞ」
と歌っている。そこに立つべき楽曲もライブ力も間違いなく兼ね備えているバンドだと思っている。これだけいろんなアーティストのライブを観てきた上で年間で1番ライブを観ているくらいに全てが自分にとってのど真ん中ストライクでカッコいいと思っているバンドの会心のアルバムがどうか武道館ですら入り切らないくらいたくさんの人の耳に届いて欲しいと思っている。俺の夢を叶えるのは俺しかいないのだから。
/ 2023/12/28