the telephones メジャーデビュー10周年ファイナル 〜Zepp DE DISCO〜 やれんのかテレフォンズ!?やれんのかZeppワンマン! Zepp Tokyo 2019.12.15 the telephones
昨年「電波が入った」というこのバンドならではのセリフでVIVA LA ROCKとUKFCにて活動休止からの一時的な復活を果たした、the telephones。
今年はバンドがメジャーデビューから10周年を迎えたことにより、「今まで行ったことのない場所に行くツアー」や春からのフェス参戦など、積極的にライブを行ってきたが、盟友であるTHE BAWDIESのROYが
「今のこの状態はなんなの!?」
と言っていた通り、来年以降も継続的にバンドは活動していくのかどうかというのがおそらく明らかになるのがこの日の年内最後のワンマンとなるZepp Tokyoである。
この会場はかつてライブ中に石毛輝が過呼吸で倒れてライブが中断したり、翌年にはその状況を再現したコントをやったりと、何かと因縁の場所であるが、こうして年末にthe telephonesのワンマンを見れるというのはかつての恒例ライブであった「SUPER DISCO HITS!!」を彷彿とさせて、実に嬉しくなる。
客席は満員。今年の夏フェスで販売されていたヴェルディ川崎ライクなサッカーTシャツはもちろん、歴代のtelephonesのTシャツやサッカーシャツを着た人たちで溢れている。これだけたくさんの人がtelephonesのグッズを身につけている姿を見るのも実に久しぶりだし、その光景がまた懐かしさとともにより嬉しさも感じさせる。今年はワンマンは小さい会場でしかやっていないだけに。
開演前に流れるBGMが1曲終わるごとに歓声が上がるという異様とも言えるような状況の中、18時を少し過ぎたところで場内が暗転すると、SEが流れるよりも先にステージ背面のスクリーンに映像が映し出される。これまでのtelephonesの記念碑的なライブの数々。このZeppでのワンマンや、ディファ有明、さいたまスーパーアリーナ、日本武道館…確かに自分も客席にいたライブ。その映像にはメンバーだけでなく客席の様子も度々映し出されていて、サッカーシャツを着た人たちをメインに、みんな本当に楽しそうな顔をしていた。これまでのtelephonesのライブで見てきたものがみな美しい思い出であるかのように。自分自身、あの時のライブはああだったな、あの場所はあれから1回も行ってないな、と感慨に耽りながら少し泣きそうになってしまった。このバンドがメジャーデビューして10年、休んでいた年月もあるとは言え、その歴史を今一度噛みしめるような時間になったから。
その映像の後におなじみの「Happiness, Happiness, Happiness」のSEが流れてアフロヅラを被った4人がステージに。思いっきり駆け出してきたノブ(シンセ)はいつものようにラメTシャツを着用し、長島涼平(ベース)は髪型がちょっとお坊ちゃんみたいな感じに。年末ワンマンでは髪型が大胆に変わってきた松本誠治(ドラム)は前日にバッサリと髪を切ったことをSNSで匂わせていたが、それでもロン毛と言っていいような髪型。そして石毛輝(ボーカル&ギター)はおなじみの唇サングラスをかけている。
「Zeppー!踊ろうぜー!」
と石毛のハイトーンボイスが響き渡ると、「D.A.N.C.E to the telephones!!!」からスタートし、ディスコパンクと形容されたダンスサウンドで早くも客席は踊りまくり、腕振り上げまくり、オイ!オイ!と叫びまくり。さらには間奏部分では涼平をはじめとしたメンバーたちに合わせて「D.A.N.C.E」を人文字で再現。
今年は各地のあらゆるフェスに出まくっていたので、そこでライブを見た人もいるだろうし、行ったことのない場所へ行くツアーや東名阪の対バンツアーに行った人もいるはず。それなのに、何というかこのバンドのこのライブをずっと待っていたという空気を強く感じた。それはこうしてワンマンに来る人たちはフェスとかのイベントとワンマンは全く違うということをわかっているからかもしれないし、こうして大きな会場でワンマンがまた見れるというのを待っていたのかもしれない。
早くも序盤で猿のように踊るために投下された「Monkey Discooooooo」では間奏で石毛がブリッジギターを決め、アレンジこそシンプルなものであるが、スクリーンの映像と照明が曲タイトルにちなんだ辛さを演出する「HABANERO」では側転までして見せるのだが、おなじみの民族衣装のような服を頭から被るようは形に。そうした小さなアクシデントというかトラブルさえも楽しんでいるかのようなメンバーの表情である。
スクリーンに変わってバンドのロゴが迫り上がってきての「Da Da Da」では狂乱のディスコパンクサウンドによってダイバーも発生。石毛のノイジーだが曲の輪郭を必要以上に強調しないギターの切れ味はさらに増しているようにさえ感じる。
ノブが尻を客席に向けて振りながらカウベルを打ち鳴らし、そのまま2階席まで登っていってしまう「Baby, Baby, Baby」はこれまでにもフェスなどで予想を良い意味で裏切りまくるようなパフォーマンスを見せてきたが、やはりライブハウスになってもそのノブの行動力や発想力は素晴らしいものがある。そのスタイルはずっと変わらないでいて欲しいものである。
石毛による挨拶的なMCから、活動休止前最後のアルバムとなった「Bye Bye Hello」収録の「Jesus」へ。ライブでは収録曲があまり演奏されていない「Bye Bye Hello」というアルバムの中においてこの曲は今年のツアーでも毎回演奏されてきたからか、ライブで育ってきたという面も含めてこうして聴いているとこのライブ自体が久しぶりの大きなライブハウスでのワンマンということを全く感じさせない。かつてこの会場でワンマンをやっていた時とそのまま地続きであるかのようにすら思える。
「今日はミラーボールが4つあるんですけど…全部ぶっ壊せ!」
と言って演奏されたのはもちろん「crushed mirror ball」。オレンジ色の照明に照らされながら輝くミラーボールは実に美しく、とても壊せるようなものではなかったけれど、そう歌うのはtelephonesの持つパンクな精神性ゆえだ。
「今年初めてライブでやる曲」
と言って演奏された「Broken Government」はその言葉通りに全くライブでやるとは思っていなかった曲である。しかしサビでの合唱パートを聴いていると、この曲が収録された「The Telephones In Wonderland E.P. 〜不思議の国のテレフォンズ 短編集〜」がリリースされた2012年の年末に開催されたラフォーレミュージアム六本木でのワンマンライブのことを思い出す。あの時も実に寒い日だったけれど、会場の中は汗に塗れるくらいに暑くて熱かった。
そんな中で
「バカになって踊ろうぜー!」
とシンセポップと言えるようなメロディとサウンドの「A.B.C.DISCO」で踊りまくりながら「ディスコ」を叫びまくると、ステージ背面にはバンドロゴがスクリーンに入れ替わり、石毛が歌い上げるようにして始まる「Re:Life」へ。
かつてリリース時にはフェスなどでもよく演奏されていた曲であるが、いわゆるtelephonesのディスコパンクなイメージのアッパーに踊りまくれるような曲ではない。しかしそんな曲のイントロでたくさんの腕が上がり、みんながこの曲が聴けることを心から喜んで歓迎している。それはワンマンでなければなかなか見ることができない光景であるし、やはりワンマンに来るような人たちはみんなtelephonesが「DISCO」だけのバンドではない、もっと様々な要素を自分たちのダンスミュージックに取り入れたバンドであり、そういう曲にこそ名曲が多いということをちゃんとわかっている。世界のどこかに存在する楽園か、それとも人生を終えた後に見える景色か、一面にひまわりが広がる映像も、観客の腕が上がる光景も全てが美しかった。それはtelephonesというバンドがこの曲のタイトル通りにもう一度人生を始めることを選んだからこそ見ることができたものだ。
そんな感情的にならざるを得ないライブをしながらもメンバーの空気は実に緩く、
誠治「メンバーの名前を呼ぶ時、俺の名前が呼ばれた時だけ笑うのやめてもらっていいですか?(笑)」
と石毛以外が喋るのもワンマンならではであるが、
ノブ「物販でライターを作ったんだけど、買った人いる?」
石毛「この禁煙化の進むご時世に(笑)
(名古屋の対バンに出演してくれた)ENTHが出してていいな〜って思ったんだよね」
誠治「2ヵ月経たずにパクらせていただきました(笑)」
とこの日から物販でライターを販売し始めたことについて話していたが、ただ意味もなく作ったのではなく、
石毛「みんなの心に火をつけるために作ったんだよ!」
と言って新曲の「Light Your Fire」につなげた通りに、この曲の存在ありきのアイテムである。
クアトロでの対バンライブの際にも演奏されていたし、そこでも触れたが、The Doorsの名曲のように「Light My Fire」ではなく「Light Your Fire」。そのタイトルは石毛の前述の言葉の通りであるが、それはtelephonesのメンバーはすでに火がついているからである。
音源では打ち込みっぽさも感じるリズムがライブでは誠治の手によってはるかに人力らしくアップデートされていることもあり、この曲こんなにライブで盛り上がる曲だったのか、と驚いてしまうほど。それはここにいた人たちがみんなtelephonesの新曲を心待ちにしていたということでもある。まさにこの曲はタイトル通りにtelephones peopleの心に火をつけたのだ。
石毛が自分たちのことを改めて「ディスコパンクバンド」であることを口にしてから演奏された「electric girl」は涼平のうねるようなベースが否が応でも観客を踊らせていき、さらに石毛がギターを弾きながら歌い始めたのはなんと「with one」。今年のバンドのホームである北浦和KYARAでのワンマンでも演奏されていた曲であるが、それはKYARAだからこそ初期の曲を演奏したのだと思っていた。しかしこの日のtelephonesはこうしてあらゆる時期の自分たちの曲を総括し、その上でその先に行こうとしているように見えた。
自分はこの「with one」がtelephonesの曲の中でトップクラスに好きなのだが、それは曲の持つメロディの良さもさることながら、それまでは石毛が歌っていたサビのメロディをノブが歌い、そのタイミングで誠治のドラムが一気に加速し、涼平のハイトーンコーラスが乗るという、1曲の中でこの4人だからこそこの音楽が生まれているということを実感することができるからだ。しっかりとバンドの、メンバーの顔が音から浮かんでくる。だからtelephonesの曲はこのメンバーでこそその力をライブで最大限に発揮する。
そうしたレア曲も演奏されたことに対して、
涼平「俺はもっとやりたい曲があったのにみんなに却下された(笑)」
誠治「お前は投げる数が多過ぎだから(笑)」
ノブ「俺も「あの曲やろう」って言ったのに結局やらないからさぁ〜」
石毛「ちょっと待て!それ言ったら「あの曲やらないんだ〜」ってバレちゃうから!(笑)」
と4人のほのぼのとした、楽屋でもこういう感じで話してるんだろうな、という空気は全く変わらないが、そうしたMCを経てからの後半はさらにギアを上げていく。
というか、telephonesは休止前はここまでライブのテンポが良いわけじゃなかったというか、もっと喋ったりする時間が長かったようなイメージがある。でも今年になってから見てきたワンマンはどれも本当にテンポが良かった。
それは決して体力が落ちたからライブを短くするというのではなく、曲数は当時とは変わっていないはず。もしかしたらtelephonesではない場所でそれぞれがライブをしたり、他のバンドたちのライブを見てきたことでたどり着いたスタイルなのかもしれない。そうした面も含めて、ただ単に戻ってきたのではなくて、変化、進化して戻ってきたということを感じさせてくれる。
なのでtelephones随一の飛び跳ねナンバー「Yeah Yeah Yeah」からはキラーチューンの連打に次ぐ連打となるのだが、そこでひたすらディスコシリーズになるのではなくて「Ex-Boyfriend」や「A A U U O O O」という曲たちがそこを担っているのは実に心強い。「A A U U O O O」のイントロから完璧に揃ったアルファベットポーズは宗教的なようにも見えるけれど、それ以上にバンドとファンの固い絆を感じさせてくれる。
ノブが
「お台場にはビーナスフォートがあるから、こうやって踊れー!」
と意味不明なダンス指南を行う「Dont’ Stop The Move, Keep On Dancing!!!」からはいよいよディスコシリーズへ突入していく。
その先陣を切る「Keep Your DISCO!!!」からは再びスクリーンに映像とともに曲の歌詞もが映し出されるのだが、この曲の最後のフレーズを石毛は
「もう一回、世界を変えようぜー!」
と叫んだ。休止前はこの曲の時に石毛は毎回のように
「世界を変えようぜー!」
と叫んでいた。しかし最近ライブで見た時にはそれを言わないことも多かった。一度休止したことによって、そうした役割からはもう降りて、これからはシーンや社会の埒外で活動を続けていく。そうなってもおかしくないとも思っていた。
しかし石毛はこの日
「もう一回、世界を変えようぜー!」
と叫んだ。それはこれからもtelephonesがかつて同様にシーンに挑んでいくという闘争宣言であると同時に、これからもバンドが続いていくということだ。
かつて、telephonesは同世代のバンドの中で誰よりも自覚的に音楽シーンを変えようとしていた。Version 21.1やKingsというスタイルやサウンドは違えど、同じ志を持った同世代バンドと一緒にシーンを変えようとするその中心にはいつもtelephonesがいたし、
「音楽シーンが変われば、俺たちみたいなライブハウスのバンドを普通にテレビで見れるようになるから」
と、目指すべきものが見えていることも語っていた。
そうしたtelephonesの活動によって我々はたくさんのバンドや新しい音楽と出会うことができたし、そうしたシーンを夢見てこのバンドのライブに行き続けた。でも、telephonesは背負い過ぎたのかもしれないし、我々はtelephonesに背負わせ過ぎたのかもしれないとも思っていた。すでにその頃にはtelephonesは自分たちのバンドの状況だけを見ていればいいというような立ち位置ではなくなっていた。そんな中で自分たちの動員やセールスとも戦わなければいけないというのは相当なプレッシャーだったはずだ。
だから休止後はマイペースに活動していくと思っていたし、バンドが楽しいのならそれが1番だとも思っていたけれど、やはりどこか寂しさも感じていた。諦めてしまったのだろうかと。でもtelephonesは自分たちにも、バンドというものにも、音楽シーン自体にも全く諦めていなかった。それが感じられたのが本当に嬉しかったし、これからもこのバンドが目指す景色を一緒に観に行きたいと思ったのだ。
そして「DISCO」と叫びまくることによってスクリーンにもひたすら「DISCO」という文字が映し出されまくる「I Hate DISCOOOOOOO!!!」では改めて
「I hate disco
I hate you very much」
という憎しみのフレーズが
「I love disco
I love you very much」
と最後のフレーズで愛情に変わる瞬間のカタルシスを感じさせてくれるし、だからこそこの曲の後に最後に演奏されるのは「Love & DISCO」なのだ。
思えば年末のワンマンでこの曲を聴くのは2014年のTOKYO DOME CITY HALLでのSUPER DISCO Hits以来だ。5年前のあの日、最後の最後にこの曲を演奏する前にtelephonesは活動を休止することを宣言した。その後に演奏された「Love & DISCO」は今まで見てきた中で最も踊ることができない「Love & DISCO」だった。立ち尽くす人ばかりで、泣いている人もいたから。
でも今、自分の目の前でこうしてtelephonesが年末にワンマンライブを行っていて、「Love & DISCO」を演奏していて、みんなが本当に楽しそうに踊っている。今年は各地のフェスでこのバンドのことを待っていてくれた人たちや主催者や会場に向けて愛とディスコを向けていたこの曲を、本当に待っていたたくさんの人と一緒に聴いている。それだけで、5年前の悲しかった瞬間も全て良い思い出になるような。本当の意味でこの日、ようやく「Love & DISCO」でまた心から幸せになれたのかもしれない。
アンコールではメンバーがこの日のライブTシャツなどに着替えて登場すると、ダイバーが出現するくらいの激しさでディスコパンクのパンクな部分を見せた「sick rocks」を演奏すると、石毛が改まったような表情で発表があることを告げる。
その発表は、telephonesが結成15周年イヤーとなる2020年から本格的に活動を再開すること、そして春にアルバムをリリースし、5月の結成記念日に新木場STUDIO COASTでスペシャルゲストを招いたライブを行うということ。
マグロックに出演したときには
「また来年も出たい」
と言っていたし、THE BAWDIESと対バンした時にもROYにこれからどうするのかを尋問されていたのでそうなるだろうなとは思っていた(新曲を作ったのはその意思表明とも言える)けれど、やはり本人たちの口からこうしてこれからも活動していくことを聞けるのは本当に嬉しい。来年からもtelephonesのライブが見れて、telephonesの新曲を聴くことができる。こんなに嬉しいことはない。
さらにはノブは
「さっき涼ちゃんには言ったけど、俺は決めた。2025年の結成20周年イヤーには、さいたまスーパーアリーナでライブをやる!」
とまで宣言。それはもうtelephonesが止まることなく続いていくということに他ならない。休止前最後のライブだった「Last Party」も、telephones史上最大のワンマンだった2011年のさいたまスーパーアリーナワンマンも超えるような景色をきっとその時には見せてくれるはず。まだ全然会場を抑えていない、完全なるノブの見切り発車らしいけれど。
そして石毛は
「音楽で世界を変えるなんて、今は言えないかもしれない。でもここにいる人たちの人生くらいは少しは変えられるんじゃないかと思っている」
と言った。確かに、telephonesは世界を変えることができなかった。でも、こうしてここにいた我々は間違いなくtelephonesの存在によって人生が変わった。人生において楽しいと思える時間が増えた。それによって生きることに前向きになれたし、周りにいる人たちを肯定できるようになれた。そしてtelephonesが活動を続けることによって、我々の人生はより一層楽しくなっていく。きっと石毛は観客の表情を見てそう感じていたんじゃないかと思う。
そんなこれからのtelephonesに期待しかない中で最後に演奏されたのは、やはりこのバンドによる発明だった、
「I am DISCO!!!」
の大合唱が響いた「urban disco」。金テープが飛び散る中、ノブは当たり前のように客席に突入していき、最大級の笑顔に包まれながら、telephonesの5年ぶりの年末ワンマンは幕を閉じた。最後にメンバーが客席を背にして写真を撮り終わるまで、いや撮り終わってからも幸せな余韻がずっと続いていた。来年からも「telephonesのライブに行く」って言えるのだから。
4年前にtelephonesが活動休止をした時、もしかしたらtelephonesどころか、音楽やライブと離れることを選んだ人もいたかもしれない。それは仕方がない。仕事や家庭など、歳を重ねれば大切にしなければならないことが増えていく。ライブに行く時間もなければ音楽を聴く時間もないくらいに。好きだったバンドの終わりはそうしたタイミングになり得るものである。
でも活動休止してからの期間、lovefilmやYap!!やフレンズなど、それぞれが新しく始めた音楽を聴いてライブを見るのが楽しくて、telephonesの時では見ることができなかった一面が見れたり、逆にtelephonesだからこそああだったんだな、と思うこともあったり。それは4人それぞれを深く知ることのできる時間だった。
そうした期間を経たからこそ、またこうしてtelephonesを見ているとあの頃とは違う見え方ができることもあるし、より一層この4人がtelephonesとして活動することを愛おしく感じる。きっと休止前ではできなかったことだって今のtelephonesなら、今のこの4人ならできるはずだ。それはこれからの活動が証明していく。
これは毎回言っていることだけれど、telephonesは良くも悪くも「フェスバンド」と呼ばれていた。確かに、フェスで見るtelephonesも楽しかった。でもワンマンはそれ以上に楽しい。フェスでは聴けない曲が聴けるのはもちろん、telephonesを大好きな人たちがこんなにたくさんいるということがわかって、その人たちが楽しんでいる姿を見ることができるから。それをこの日、改めて感じた。それはかつてのSUPER DISCO Hitsで感じさせてくれたことのように。
もう2019年も終わる。ツアーで佐賀や岩手までtelephonesを観に行った、忘れられない1年が。そんな2019年はtelephonesと同世代のバンド、ゆかりの深いバンドがこれまでのキャリアを更新して、まだまだ先へ向かおうとする新作をリリースした。telephonesを招いて2マンを行った、THE BAWDIESや9mm Parabellum Bullet。彼らがそうした作品を作れたのはtelephonesが帰ってきた姿に刺激を受けたという要素も0ではないと思っているし、進むことをやめてしまったバンドにも、いつでも戻ってきて大丈夫なんだぜ、とtelephonesは自分たちの身をもって示しているかのようだった。
これでようやくちゃんと、迷いなく言える。おかえりなさい。
1.D.A.N.C.E to the telephones!!!
2.Monkey Discooooooo
3.HABANERO
4.Da Da Da
5.Baby, Baby, Baby
6.Jesus
7.crushed mirror ball
8.Broken Government
9.A.B.C.DISCO
10.Re:Life
11.Light Your Fire
12.electric girl
13.with one
14.Yeah Yeah Yeah
15.Ex-Boyfriend
16.A A U U O O O
17.Dont’ Stop The Move, Keep On Dancing!!!
18.Keep Your DISCO!!!
19.I Hate DISCOOOOOOO!!!
20.Love & DISCO
encore
21.sick rocks
22.urban disco
文 ソノダマン