それこそまだ大森元貴(ボーカル&ギター)が10代だってインディーズの頃から曲とライブの完成度の高さは驚愕するレベルのものであり、これはすぐにチケットが取れなくなるだろうな、と思うくらいにMrs. GREEN APPLEは最初から凄いバンドだった。
その予想は的中するどころか、さらにその上を行くようになり、もはやアリーナクラスでも即完してチケットが取れないほど。
なのでこの代々木体育館での2daysはアリーナツアーの追加公演。横浜アリーナに続き、この代々木体育館も即完と、さらに上の場所にミセスが手をかけていることがわかる状況。この日はその2daysの初日。
アリーナがオールスタンディングのために先月のSUPER BEAVERがこの会場でワンマンをやった時よりもさらに広く、人が多いように感じるが、幕張メッセでワンマンをやった時もこのバンドは前方をスタンディング、後方を指定席にしていただけに、ホールでもワンマンをやっているとはいえ、スタンディングという形態に多少なりのこだわりを持っているのかもしれない。
18時を少し過ぎると場内が暗転し、客席前方ブロックの上に設置された四角い囲いの枠部分が発光し始めると、その中には神聖な木々のようなものが茂っているのが視認できる。さらにはステージ両サイドには縦に長いスクリーンとともに、その周りをやはり草木が覆っており、このライブが「エデンの園」と名付けられたのがこの段階でよくわかるような、楽園をテーマにしたような装飾の数々。
暗闇の中でメンバーがステージにスタンバイすると、一気にステージに光が射し、その瞬間に昨年リリースのアルバム「Attitude」収録の「インフェルノ」のストレートなギターロックサウンドが流れ出す。アニメ「火炎ノ消防隊」のタイアップということもあるからか、メンバーの背面のLEDにも赤い光が映し出され、ステージ最前からは炎が噴き出す。決してタイアップ先に全てを合わせた曲を作るようなバンドではないけれど(インスピレーションはもらっている、というくらいの感じだと思う)、そうしたタイアップがこうしたライブの場で曲に新たなイメージを与えているというのがよくわかる演出である。
一応特にリリースなどが絡んでいないツアーとはいえ、昨年12月から始まっているだけに多分に「Attitude」のモードを引き継いだツアーになっているはずで、それはエンターテインメント要素の強かった「ENSEMBLE」のツアーとは対照的に、サウンドとしてはギターロックに回帰したことによって、バンドの演奏を見せるのが第一というモードになっているはず。だからこそ、「インフェルノ」の赤を基調とした演出とはタイトルからしても対極的な青い光や照明がステージと客席を照らす「藍」を始め、ギターロックバンドとしてデビューした初期の曲が続いたのも実によくわかるところである。
自分がミセスに出会ったのは2014年に「Progressive」をリリースしたタイミングだったのだが、そのアルバムの最後に収録された「WaLL FloWeR」をこうしてライブの場で聴くのは実に久しぶり。当時、米津玄師が「Flower Wall」というシングル曲をリリースしたばかりのタイミングであり、「このバンドはタイトルが逆なんだなぁ」と思ったことがついこの間のことのように思い出される。
大森の挨拶的なMCで大森の髪の色が青く染まっていることがよくわかると、後にはその大森がハンドマイクになって飛び跳ねながら「VIP」を歌う。ミセスは他のいろんなバンドと比べると、インディーズの頃の曲やデビュー当時の曲を何年経ってもこうしてライブで演奏するタイプのバンドであり、この「VIP」も今でもフェスなどの持ち時間が長くないライブでも演奏しているが、この日はその理由がいつも以上に明確になっているような。それは藤澤涼架のキーボード音に導かれるように始まり、コーラス部分では初期の曲(最近このバンドに出会った人があまり知らないような曲でもある)とは思えないくらいに大きなコーラスが起きた「アンゼンパイ」も同様である。
大森がバンドのキメに合わせて体を動かし、それがシルエットのようにスクリーンに映し出されるのが、派手ではないけれど印象に強く残る「ProPose」、サウンドも歌詞もソリッドなギターロックが並ぶ中でタイトル通りに温かい空気を感じさせてくれる「Soup」と、「Attitude」の収録曲が続くと、MCでは大森が高野清宗(ベース)にドラえもんのしずかちゃんのモノマネ(しかも現在のバージョンではなく、先代の野村道子バージョン)を無茶振りし、見事に応えてみせる。どうやら今回のツアーではおなじみの場面であるらしい。
そんな緩いメンバー間のやり取りの後に
「久しぶりの曲をやります!」
と言って演奏されたのはメジャー1stフルアルバム「TWELVE」の1曲目に収録されていた「愛情と矛先」。まさに久しぶりにライブで聴けた曲であるが、すでにインディーズ時代からライブでは演奏されており、いつ音源化されるのかとファンの間では話題になっていたことをこうしてライブで聴くと思い出す。大森、若井滉斗(ギター)、藤澤、高野の3人が演奏のキメに合わせて足を上げたり、ジャンプしたりするアクションは年数や経験を重ねるにつれてさらに演奏しながらの余裕を感じさせるものになっているし、やっぱりこうしてライブで聴いているとこの曲が好きだなと思えるし、今でもライブで聴けるのは本当に嬉しい。
そんな、バンドの演奏を前面に出すというストレートなライブの形が少し変わったのは、まるでバンドが海賊団になって航海するかのように海の映像がメンバー背面のスクリーンに映し出された「Viking」。こんなにも「Viking」というタイトル以外に選択肢がない曲があるだろうか、というくらいに「Viking」な曲であり、若井がアコギ、さらには高野がチェロを弾くという姿はこのバンドのメンバーそれぞれの技術の高さとマルチプレイヤーっぷりを感じさせ、海賊姿のダンサーたちが登場する様はまるでパイレーツ・オブ・カリビアンのようですらあるが、そのダンサーたちとともに大森がダンスをすると、アウトロでは山中綾華(ドラム)の横の床がせり上がり、かなり高いところでダンスを踊っていた。
そのままアウトロ終わりでステージが暗闇に包まれると、先ほどまでステージ後方でダンスを踊っていた大森の姿が見えなくなっている。果たして大森はどこへ?と思っていると、ステージから伸びた花道の先に椅子とアコギが置かれており、そこに大森が現れると、そのサブステージ近くのA,Bブロックの観客が一斉にそちらに詰めかけていく。
そこで大森の弾き語りの形態で始まったのは「クダリ」。やはりこのライブの軸にあるのは「Attitude」の曲であるが、曲の途中で大森が立ち上がるとメンバーが待つステージに戻り、途中からバンドアレンジになるという展開に。こうした形が見れるのはライブならでは、しかも場所を移動して合流するというのは会場が広いアリーナならではである。
山中がドラムとともにサンプリングパッドを叩いて人力DJのようなイントロを刻むと(スクリーンに叩く姿が至近距離で映るあたりは実にわかりやすい)、この日の中では非バンドサウンド的な印象が最も強い「REVERSE」で大森は花道を歩きながら軽快に体を動かして歌い、カラフルな光がスクリーンに映し出され、それは背面と両サイドだけでなくメンバーの足元にも及ぶことによってまるでメンバー5人が色とりどりの光の中で演奏しているかのような「ア・プリオリ」へ。こうした曲(カップリング曲)が聴けるのはワンマンならではである。
「ここからまた盛り上がって行けますか!」
と大森が煽ると、若井のギターが一気にノイジーなサウンドになる「ナニヲナニヲ」と、またしても初期の曲へ。この曲のボーカルなどは思いっきり声を張らないと歌えそうにないものであるが、大森はギターを弾きながらいたって自然体な形で歌いこなしているし、そこには体全身を使っているかのようなエネルギーが確かに宿っている。10代の頃からとんでもなく歌は上手かったが、そのレベルは経験を重ねるにつれてさらに上がっている感じすらある。
そのアッパーなギターロックモードはやはり初期と最新系を繋げるものであり、続く「Ke-Mo Sah-Bee」では狩猟を思わせるような映像がスクリーンに流れる。以前も「絶世生物」という曲があったが、ミセスの曲には我々人間が生きること、人間以外の他の動物が生きていることについて考えさせられる曲が多い。それは初期からの大森のどこか達観したかのような死生観の歌詞の延長線上にあるものとも言える。
MCでは大森がまたしても高野にしずかちゃんのモノマネをすると、高野は「Ke-Mo Sah-Bee」の
「よーいのどん」
のフレーズで叫ぶようにしてコーラスをしていたために声が変わってしまっていてモノマネにならず、急遽若井にジャイアンのモノマネを振るのだが、若井はジャイアンのことを知らないんじゃないか、というくらいになんのネタをやっているのかわからないクオリティになってしまっていた。
そんな流れの後に演奏されるのが壮大なバラード曲「僕のこと」というとんでもないギャップ。ファルセットの美しさと力強さも含めて大森の圧倒的な歌唱力あってこそ成り立つ、J-POPのフィールドの中で流れていてもおかしくないくらいのポップな曲であるが、間違いなくミセスにしか作れない、演奏できない曲。高校サッカーのタイアップ曲でありながら、
「僕らは知っている 奇跡は死んでいる
努力も孤独も 報われないことがある」
という、安易な「夢は必ず叶う」みたいな綺麗事とは対極のフレーズが並ぶ歌詞は、1チーム以外は全て負けるというスポーツの大会のある意味での残酷さをこの上なくリアルに描いているが、やはりこうしてミセスのライブを見に来ることができていて、この曲を聴くことができると我々観客の心情は
「ああ なんて素敵な日だ」
というサビのフレーズに集約されていく。それもまた、今日という僕らのことである。
そして最強のドレミファソラシドこと「StaRt」では若井と高野が花道に駆け出して行って背中を合わせるように逆サイドを向き合って演奏したりするのだが、その姿に大森が笑ってしまったりするあたり、花道に出て行くことまでは決まっていても、2人がどんなパフォーマンスをするのかはその日のアドリブ的な部分が強いのだろう。この日、メンバーはみんなことあるごとに「楽しい」と口にしていたが、そうしたパフォーマンスや笑ってしまうような雰囲気こそがその言葉の裏付けになっている。
何よりもミセスはその大森の圧倒的な歌唱力とバンドの演奏による完成度の高さによって、今まで見てきたどのライブも(インディーズ時代の新代田FEVERやデビュー時の渋谷WWW、赤坂BLITZ、TOKYO DOME CITY HALL、幕張メッセ、ロッキン初出演のWING TENT、サウンドトラブルを乗り越えた翌年のSOUND OF FOREST、大森が「ミセスの何を見てきたんだ!」と吠えた昼のLAKE STAGE、あまりに美しい夏だった夜のLAKE STAGE、そして去年のGRASS STAGE、あるいは大森が日焼けしまくっていたJAPAN JAM BEACHなど…)忘れられないものとして自分の脳内に記憶されてきたが、こんな楽しいライブをみせられたら、またしても「忘れたくないなぁ」が増えていく。それはこれから先もきっとそうなり続けていく。
イントロが鳴るだけで大歓声が上がったのはドラマ主題歌になった「WanteD! WanteD!」であるが、メンバーが「ティーンポップ」と形容していた、EDMの要素を取り入れた曲に若井のノイジーなギターがロックさを強く加えていく。それは間違いなく「Attitude」というアルバムとそのツアーを経たからであるけれど、Cメロ部分ではステージで座る若井に寄り添って歌おうとした大森が若井が一緒に歌ってこようとしたことによって笑ってしまって歌えなくなるという微笑ましいハプニングも。
さらに「青と夏」というとんでもないキラーチューンの連発。季節はまだまだ冬と言っていいような時期であるが、この曲を聴くといつも
「夏が始まった合図がした」
というフレーズ通りに太陽が照りつける夏の景色が思い浮かぶし、前述のロッキンの夜のLAKE STAGEや炎天下のGRASS STAGEでミセスのライブを見たこと、それに伴うその時の夏の思い出が頭の中にフラッシュバックしてきて、体だけじゃなくて心までも震えてしまう。
ミセスがなんでそんなに感動するくらい素晴らしいライブを出来るのだろうか。それは演奏や歌唱の技術もさることながら、やはり音に込められたメンバーの意思があってこそだ。初期の頃から大森はインタビューで、
「メンバー全員と「なぜ今回はこのタイトルなのか」っていうところから「だからこそこの曲はこういう歌詞なんだ」っていうところまでを完璧に把握してもらって、共有してからレコーディングをしている。歌詞の意味や意図を理解していないとどういう演奏をすればいいのかもわからないから」
とこのバンドの独特の制作方法について話していたが、そうしてメンバー全員が完璧に曲のことを理解して、一切の齟齬なく共有できているからこそ、こうして演奏の全てに感情や意思を感じることができる。そしてそれが我々聴き手の感情を揺さぶるのである。だからどんなに非バンド的なサウンドの曲になったとしても、ミセスの音楽やライブからはどうしたってメンバー5人の顔が浮かんでくるのである。
もう普通ならこの「青と夏」で終わってもいいくらいのクライマックス感であるし、それが美しいのかもしれないが、ミセスのワンマンのボリュームはまだここで終わるようなものではない。
ポップなイントロに大歓声が上がったのは「Attitude」収録の「CHEERS」であるが、この日会場内の物販エリアでも流れるたびに周りにいた観客が嬉しそうに体を揺らしていたのだが、ミセスならではの爽やかさ(アルコールではなく「生ぬるいjuiceで乾杯」と全年齢を対象にしているあたりも)を感じさせるこの曲はこれからライブでの定番曲になっていくのかもしれない。
さらに「ENSEMBLE」の路線の進化系とも言えるような、華やかかつポップなサウンドにピンク色のLEDスクリーンの光が実によく似合う「lovin’」と「Attitude」の曲が続くと、最後に演奏されたのもやはり「Attitude」の最終曲である「Folktale」。スクリーンには樹木が成長して緑を濃くしていくような映像が映し出される。それこそが「エデンの園」というタイトルのライブの辿り着いた先であるが、
「私は今日もまた歩いてゆく」
というフレーズで締められる通り、ここは終着点でもなければ安住の地でもない。きっとまたミセスはここから我々の予想もできないような場所に、自分たちの興味や本能の赴くがままに歩いてゆく。
基本的にはやはり「ENSEMBLE」ツアーでのエンターテインメント性の強い、ショーと言ってもいいライブとはかなり性質の異なる、バンドの演奏を主軸にした、ロックバンドとしてのミセスの姿を見せるライブとなったが、そこに確かに「エデンの園」というタイトルをつけた理由を示してみせたのだった。
アンコールではまずは大森と藤澤のみがステージに現れ、ボーカルとキーボードのみという編成で「Circle」を演奏。音数が少ないからこそ、大森のボーカルの素晴らしさをじっくりと感じることができる。
そしてツアーTシャツに着替えたラフな出で立ちのメンバーが再びステージに現れて一言ずつ喋るのだが、藤澤は
「この渋谷、原宿エリアには僕たちが初めてライブをやったライブハウス(渋谷CRAWL)があったり、原宿でフリーライブをやったり、いろんな思い出があります」
と、こうしてワンマンをやるのは初めてである代々木体育館のステージに立つことが、どこか必然であったかのように語った。きっと今もメンバーはみんなその頃のことを全く忘れてはいないのだろう。
最後には大森が
「周りを見渡してみて。Mrs. GREEN APPLEが好きな人がこんなにたくさんここにいるんですよ!」
と言った。見渡すだけでも、制服をきた中学生や高校生くらいの人、その人と一緒に来たであろう親くらいの年齢の人。ミセスのライブは本当に年齢層が幅広いし、おそらくそれまでライブに行ったりすることがなかっただろうなという若い人がたくさんいる。
自分が中学生や高校生の頃は、まだライブに行くということがこんなにポピュラーなものではなかった。ネットもなかったし、ライブ会場も今より少なかった。どうやってライブに行くのかもわからなかったし、ライブに行っている人の話を聞くことすらなかった。それでもライブに行きたい!って思えるようなバンドもいなかったかもしれない。
だからこそ、毎回こうして若い人がミセスのライブに来ているのを見ると本当にうらやましく思う。その年齢からこんなにすごいバンドのライブを見ることができていて、ライブの楽しさを知ることができる。それは普通に過ごすよりもはるかに面白い人生であるということがわかるから。
何よりも、そうして若い人たちがライブに行くようになるきっかけになってくれているミセスの存在に心から感謝とリスペクトを表明したい。ミセスを観にくる若い人たちの姿を見ることによって、我々もいろんなことを感じたり、想像したりすることができるのだから。
そしてこの日最後に演奏されたのは「我逢人」だった。ミセスの初期の代表曲にして、自分がミセスと出会ったきっかけになった曲。この曲を最初に聴いた時のあまりの瑞々しさに衝撃を受けて、すぐにライブに行こうと思った。そうしたらライブはすでに音源以上のものを見せてくれたり感じさせてくれるようなもので、すぐに大きなところに行くだろうな、と確信を持たざるを得なかったし、そこまで行く過程を見たいと思って、行ける限りライブに行くようになった。
でもミセスは何度となく「変わった」と言われるタイミングがあった。メジャーデビュー時や、セルフタイトルアルバムリリース時など。確かにサウンドは変わった。変わったというか、幅広くなった。出来ることが増えて、やりたかったことができるようになった。それを自分たちの音楽的な欲求に素直に応じるように自分たちの音楽にしていった。
だがこうしてライブを見ていると、体も心も震えるような感覚は全く変わっていない。何よりも、最新作の曲で始まったライブの最後に初期の曲をやっても全く違和感がないというか、それはやはり地続きのものであると感じることができる。「Attitude」からこの「エデンの園」に至るまでの一年くらいは、それを再確認させてくれるものだった。ミセスは今でも変わらずにカッコいいバンドであり続けているということを。「我逢人」の最後のブレイクで大森、若井、高野が楽器を抱えてジャンプする姿も、その跳躍力も、初めてライブを見た時と全く変わっていないように見えた。
演奏が終わると花道を歩いて観客の声に応えるメンバーたち。高野がなぜか立ったまま後ろに倒れ込むというビニール人形みたいな動きを繰り返していて、最後はメンバーからも置いていかれていたのがなんだか面白かった。
ミセスは今年でメジャーデビューしてから5周年を迎えた。若井が口にしていたように、5年でアリーナツアーができるようになるというのは実に早い。若手の中でも破格の成功を収めているバンドであると言える。
でもミセスより後にデビューしたバンドたちがあっという間に「国民的バンド」という位置にまで行っているのを見ると、少し悔しいというか、もったいなく感じてしまう。ミセスこそ音楽においてもライブにおいてもその位置に行くべきバンドだと思っているからだ。
でもミセスは音楽こそテレビで流れるべきバンドでありながらも、自分たちがテレビ番組などにガンガン出るようなタイプの人たちではない。強烈なキャラクターを持ったメンバーがいるわけでもないし、学校に馴染めなかった大森や、実はライブ前はいつも緊張し過ぎて吐きそうになるくらいに繊細な藤澤など、そうした華やかな世界に馴染める感じがしないからだ。
ただ、逆にそうして一気にドカンとそこまで行かなかったということは、常に一歩ずつ自分たちのやってきたことや歩いてきた道を確認しながらここまで来れたということでもあるし、我々ファンもそうした過程を見てくることができた。だからこそ、一気にはまだそこまでは行かなくてもいいのかもしれない。でも近い将来、ミセスが「国民的バンド」と言われるような、世界で在ってほしいな。
1.インフェルノ
2.藍
3.WaLL FloWeR
4.VIP
5.アンゼンパイ
6.ProPose
7.Soup
8.愛情と矛先
9.Viking
10.クダリ
11.REVERSE
12.ア・プリオリ
13.ナニヲナニヲ
14.Ke-Mo Sah-Bee
15.僕のこと
16.StaRt
17.WanteD! WanteD!
18.青と夏
19.CHEERS
20.lovin’
21.Folktale
encore
22.Circle
23.我逢人
文 ソノダマン