/ 2020/03/01
愛媛県のスリーピースパンクバンド、LONGMANのメジャーデビューアルバム。パンクバンドのメジャーデビューは割とインディーズで早い段階から話題になってそのままメジャーへ、というパターンも多いが、このバンドはすでに活動開始から8年も経過しているし、インディーズ期に話題になってからも数年が経過している。
そうして年数が経過したのは、ベース&ボーカルのさわの喉の不調によって1年間ライブができなかったということもあっただろうけれども、このアルバムにはそうした苦い経験のようなものが全く感じられない。このバンドの最大の持ち味であるメロディーの良さが、思いっきり音楽ができるようになったことでこれまでをさらに上回る輝きを放っている。だから聴いていると演奏しているメンバーも、観客も飛び切りの笑顔を浮かべているライブの光景を想像することができる。
メジャーになってもバンドのスタイルは全く変わっていない。だからこそこれからもこのバンドの持つメロディーの輝きは色あせることがないだろうなと思える、これがベストアルバムですと言ってもいいぐらいの、メジャーデビューアルバムにしてバンドの代表作になっていくであろう。
関連記事
Songs of Innocence & Experience DYGL
再生した瞬間の感想「え?これ本当に日本のバンド?10年くらい前のアメリカのインディーズバンドじゃなくて?」というくらいにサウンドも英語の発音のスムースさも今の日本のバンドでは聴けないもの。でもそれは懐 …続きを見る
君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命 銀杏BOYZ
*『DOOR』と『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』は、僕の中では2枚組のファーストアルバムである。よって、この2枚には同じレビューが掲載されているが、そういう意図であることを理解いただけたら嬉しい。 …続きを見る
沈香学 ずっと真夜中でいいのに。
マジで今のずっと真夜中でいいのに。のライブは今までにも増してとんでもないことになっている。それは「チェンソーマン」のエンディングの1曲として話題になった「残機」や、VtuberラッパーのMori Ca …続きを見る
So kakkoii 宇宙 小沢健二
2010年代の後半って、コーネリアスだったり、岡村靖幸だったり、寡作なアーティストが久しぶりにアルバムを出したりして。そんななかに小沢健二ですよ。皆さん共通して、この時代にアルバムを出すべきだ! と感 …続きを見る
THE SIDE EFFECTS coldrain
もはやラウドロックというジャンルが隆盛を極めてきた、というよりもだんだんと大きなステージに立てるバンドとそうではないバンドがハッキリしてきたように感じる。一口にラウドと言ってもそれぞれのバンドの戦い方 …続きを見る