/ 2023/12/28
こやまのデスボイスからしばたのハイトーンボイスによるキャッチーなサビまで激しく展開していく「Blooming the Tank-top」から始まり、こやまがピアノを弾いてしばたが歌う、本来は怒りの感情として(それはメンバーの経験含めて)発露してもおかしくないものをヤバTだからこそのユーモア溢れる歌詞とサウンドで表現した新たな名曲にして迷曲「インターネットだいすきマン」などが挟まれ、最後に待ち構えているのは、ライブで聴いて泣いた曲は何曲もあれど、MVを1回観ただけで泣いてしまうヤバTの曲は初めてだというくらいにストレートな、だからこそメロディの強さが最大限に発揮された「hurray」で締められる。冒頭で「毎回アルバムという形態のリリースに力を入れてきた」と書いたが、それと同時にヤバTが生み出してきた1曲1曲のサウンドや歌詞の振れ幅はありながらもどれも本当にカッコいい曲であり素晴らしい曲であるという、バンドとしての力量の高さこそがこうして毎回名盤を生み出している最大の理由だ。それこそ「あつまれ!パーティーピーポー」でシーンに現れた時も、「かわE」がバズった時も。一発屋的にも見られていたこともあるヤバTがシーンの最前線を走り続けているのも、顧客の誰もがメンバーの目標である紅白歌合戦出場を願ってやまないのも、それに見合う音楽を作り続けてきたバンドだということをわかっているからだ。
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