いくら音楽が好きでも、年を取ると新しい音楽に触れようという積極性が薄れてしまうもので、積んでいる新譜の山に後ろめたい思いをしながら昔の名盤を何度も聴いてしまう現象、あると思います。音楽だけじゃなくてゲームしかり、本しかり。
そんなわけで世間から2年遅れでようやくずっと真夜中でいいのに。の作品をようやく聴いたのだけど、「今の日本の音楽ってこんなに進化してるの!?」と驚愕しました。自分が古い音楽ばかり聴いているうちに邦楽すごいことになってんなあ! 今の邦楽ってこんなに面白いの! という感じで完璧にやられました。ずとまよになんらかのスイッチが押されてしまったのか、最近は新しい音楽を聴き狂っています。
そこで、新しい音楽を一通り聴き狂って思ったのは、ずとまよって飛びぬけた存在なんだなあということ。ほかのアーティストも面白いんだけど、ずとまよはレベルが違う。
にぎやかな音の裏に感じさせる退廃的な空気は今の日本にすごくフィットしていると思うし、ボーカルも圧倒的な表現力を持ちながらも無理やり力技で持っていくようなことはせず、針の穴に糸を通すような仕事を全うしているようにも思える。でもその仕事は黙々とこなすようなものではなく、ちゃんと人としての熱がある。
相対性理論以前と以後で邦楽の歴史が変わったように、ずっと真夜中でいいのに。以前と以後で音楽が変わるんだろうな、と感じています。というか2018年以前と以後では明確に邦楽が変わっていますね。変わったなあ……歴史……。