/ 2020/10/07
2017年に発売されたPUNPEEの1stアルバム。発売当時から今日に至るまでずーっとヘビロテしてて「いいアルバムだなあ、2017年で一番いいアルバムだなあ」と思いながら「レビュー書かなきゃなあ」と思いつつ3年が経ってしまいました。時の流れは速い。
日本のヒップホップは『フリースタイルダンジョン』に出るような、アメリカのストリートから生まれた分流を大切にする人たちと、インテリ層やナードによる日本独自のヒップホップを作ろうとしている人たちによって二極化されているところがあって、PUNPEEは後者にあたると思っています。もちろんPUNPEEだってフリースタイルの大会に出ていたりしていますが、今はあえて自分の立ち位置を意図的にぼかしている感じがあります。
アメリカ的なヒップホップよりも、日本的な情景や心情を詰め込んだラップミュージックの方が、やはり日本人としては聴いていて心地いいわけで。
ジャパニーズヒップホップの未来は明るいなあ、いい方向にアップデートされたなあと思える一枚です。
関連記事
おいしいパスタがあると聞いて あいみょん
前々作『青春のエキサイトメント』は自分の中の「売れたい」だとか「知ってほしい」という貪欲さが表れたアルバム、前作『瞬間的シックスセンス』はブレイクスルーのギラギラ感が表れたアルバムという感じで、人間の …続きを見る
シンクロニシティーン 相対性理論
真部氏・西浦氏の所属していた4人体制の相対性理論の最後のアルバム。
このアルバムが発売されてから2年ほどあとに両氏の脱退が発表されたため、本作には、ネガティブな音が(一聴してわかるようには)入ってい …続きを見る
Convicted Cryptic Slaughter
ハードコアとメタルが融合した80年代クロスオーヴァーの中でも異質中の異質なCryptic Slaughterの1st。速いという次元を余裕で超えているドラミングはもはやギャグレベル。しかもそれほどテク …続きを見る
QUIZMASTER NICO Touches the Walls
リリース時と今とではこうしてアルバムのことについて書くことが全く変わってしまった1枚。それはもちろんNICO Touches the Wallsが11月に活動終了を発表したからである。
光村龍哉が「 …続きを見る
Battle Hymns The Suicide Machines
スカ色が薄まりハードコア寄りになったThe Suicide Machinesの2nd。
1stのような音を期待すると「あれ?」っと思ってしまうかも知れませんが、スカを欲しなければメロディックなハード …続きを見る
Sheer Heart Attack Queen
このアルバムも筆者が生まれる何年も前の作品だし、ましてや当時のライブでの演奏は映像でしか観たことがない。
しかし、現在の最前線の新譜に刺激を受けることと同様に、数十年前の作品を改めて聴き、新鮮味や衝 …続きを見る