もうリリースから4年も経った前作アルバム「SOIL」を聴いたときに腹が決まったというか、意思が統一されたアルバムだなと思った。それまではあらゆる音楽からの影響をフォーリミとして鳴らしていたのが、フォーリミはメロディックパンクバンドであり、これからもそうしたバンドとして生きていくということを宣言しているような。
4年ぶりとなる今回の「Harvest」もその延長線上にあるというか、収穫というタイトルが示すとおりに「SOIL」から今に至るまでのメロディックパンクバンドとしてのフォーリミの集大成のようなアルバムだ。それはそのサウンドこそがフォーリミのメロディの美しさが1番生きるものであるという確信をバンドが得たのかもしれないし、だからこそ「Honey」のような一聴するとパンクという感じがしないような、歌メロをひたすら研ぎ澄ませたような曲すらもあくまでパンクバンドとしてのポップな曲として響いているし、この曲は記念碑的なワンマンでしか演奏されない「Give me」のようにファンに長く深く愛されていく曲になっていく予感がしている。
そうして「これがフォーリミだ」と力強く宣言するようなこのアルバムを作った後にフォーリミはどこへ向かうのか。やりたいこともまだまだたくさんあるだろうけれど、往々にしてパンクバンドの寿命は短いということは歴史が物語っている。それでもパンクバンドとしてこんなに素晴らしい作品を作り出したフォーリミはそんな歴史を覆してくれると思っているし、きっと結局ずっとフォーリミが好きなはず。
/ 2023/06/16