/ 2025/03/11
My Hair is Badの金字塔的な作品と言えば人によっては「narimi」であり、人によっては「woman’s」だったりするだろう。でも今のマイヘアは同じ作品は作れないし、そもそも作る意味もない。そんなマイヘアが今年リリースした「ghosts」は今のマイヘアしか作れない作り方でこれまでのマイヘアを刷新したアルバムだ。
サウンド自体はそこまで大きくは変わらないとはいえ、「一母八花」の力強いベースのイントロは3人それぞれの曲作りのやり方が変わったことを示しているし、映画「クレヨンしんちゃん」のタイアップ曲である「思い出をかけぬけて」はマイヘアが初めて明確にその登場人物と物語に寄り添って書いた曲とも言える。マイヘアの代名詞的な歌詞だった、いわゆる赤裸々なラブソングというような曲は今作にはない。でも今の30歳を超えた、様々な経験を経てきた椎木だからこそ書ける曲たちがここにはある。ライブで「ペガサス」を初めて聴いた時の体が震えるような感覚は、マイヘアのライブで初めて感じたものだった。
関連記事
Just A Boy LONGMAN
愛媛県のスリーピースパンクバンド、LONGMANのメジャーデビューアルバム。パンクバンドのメジャーデビューは割とインディーズで早い段階から話題になってそのままメジャーへ、というパターンも多いが、このバ …続きを見る
millions of oblivion THE PINBALLS
このベストディスクの記事を書くタイミングの直前、12月16日にリリースされた、2020年のラスボス的なアルバム。
THE PINBALLSは「とりあえず衝動と激しさ」の音楽というイメージを持たれがち …続きを見る
海と宇宙の子供たち Maison book girl
ブクガことMaison book girlの4枚目のオリジナルアルバム。ブクガは常にクオリティの高い楽曲を世に出し続けていて、今作でもサクライケンタの才能が爆発してるなあと感嘆しました。1st~2nd …続きを見る
永遠市 amazarashi
ほぼメディアに出ないために追っているファン以外には伝わっていないだろうけれど、実はamazarashiの2023年は色々あった。それを経ての、というかそんな中でも届けられた新作「永遠市」は「下を向いて …続きを見る