活動休止から復活しての前作「NEW!」も新たなthe telephonesの始まりを告げるような素晴らしかった作品だったが、今回の復活してからの2作目となる「Come On!!!」もやはり素晴らしい作品になった。
それはこのアルバムにはthe telephonesの代名詞とも言える「DISCO」という単語の入った曲がないということからも、そうしたこのバンドのイメージであるディスコパンク的なサウンドに縛られることなく、自由に今の自分たちがやりたいダンスミュージックを追求していることがわかるし、そこにはコロナ禍になってから制作されたことで、家の中で踊れるようにという想いがあったことも石毛輝はインタビューで語っていた。
その起点とも言える、いつどんな場所、どんな季節でも夏を感じさせてくれるトロピカルな「Caribbean」はアルバムラストに配し、むしろライブでもクライマックスを担うようになったアンセム性の高い「Yellow Panda」が中盤にいるという構図もとかく最後を壮大に締めがちだったこれまでのtelephonesのアルバムとは違う流れでもあるのだが、だからこそこのバンドの持つ実は最大の武器がひたすらにキャッチーなメロディであることが今まで以上にわかるアルバムになっている。ただ闇雲にはしゃぐだけでもないし、かと言って年相応に落ち着くわけでもない。そんなtelephonesの今の強さがなんなのかがこのアルバムにはしっかり封じ込められている。コロナ禍になって自分たちのライブの在り方に苦悩する期間もあったということをメンバーは口にしていたが、これからもtelephonesは絶対に大丈夫だし、これからも我々の精神を解放させて踊らせてくれるということをこのアルバムは示している。そんなアルバムのタイトルはやはりライブハウスに我々を誘っているのだ。
/ 2023/06/16