自分は忖度というものができない人間である。だからいくらYouTubeの番組に呼んでもらって、メンバーの方々と知り合いと言えるような存在になっても平気でフェスの時にHEY-SMITHと被っている他のバンドを観に行ったりしてしまう。
しかし忖度ができないからこそ、この3位という順位はそうした関係性を抜きにして、ただただ素晴らしいパンクアルバムだということを評価してのものだ。それくらいに1曲目の「Money Money」から、鮮やかさすら感じるようなパンクが鳴っている。6枚目のアルバムにしてこんなに衝撃を喰らうようなオープニングになるなんて、というくらいに。
だからこそ自分はこのアルバムを「パンク」を軸にして作られた作品なのかもとも思っていたけれど、猪狩秀平が言うところによるとあくまで「日々作ってる曲がアルバムとしてまとまった」というものらしい。しかしながらそのアルバムのタイトルに「Rest In Punk」と名付けられ、そのタイトル曲が猪狩にとってのパンクヒーローに捧げられたものになっているというのはどこかパンクに導かれたものがあると思わざるを得ない。
そのタイトル曲では
「今度は俺が君たちの光になる」
と歌われている。主催フェスのステージでは
「ここからパンクの逆襲が始まる」
と言っていた。そんなパンクの逆襲の号砲であり、パンクスにとっての光というようなアルバムがメジャーシーンからリリースされているという事実を本当に幸せに思う。
/ 2023/12/28