/ 2025/03/11
これまでの代表曲と言える「ゴミ人間、俺」のように、前までのヤングスキニーはクズを自覚していながらもそれを直そうというよりは「それが自分である」というある意味での開き直り的とも言えるようなかやゆーの人間性がそのまま音楽になったというような曲が多かった。
このフルアルバムにも「プレイボーイシンドローム」のような曲はあれど、それ以上に「精神ロック」からあらわになってきたように、かやゆーの人間性よりも「どんなバンドでありたいのか」という4人の意思がそのまま音楽になった曲が並んでいる。それはすなわちロックでありパンクであり、カッコいいバンドであるということ。そんな明確な意思と意識を鳴らせるようになったことがこの作品を名盤たらしめているし、最後の「誰かを救ってやる暇などないけど」は不覚にも聴いて涙が出てきてしまった。今でも色々と言われたりすることもあるかもしれないけれど、もう本人たちはそんなことを全く気にしていないはず。なんならこれからの日本のロックシーンを背負っていく存在になるかもしれない、なんてことすら思わせてくれる会心の一撃的なアルバム。
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