/ 2025/03/11
これまでの代表曲と言える「ゴミ人間、俺」のように、前までのヤングスキニーはクズを自覚していながらもそれを直そうというよりは「それが自分である」というある意味での開き直り的とも言えるようなかやゆーの人間性がそのまま音楽になったというような曲が多かった。
このフルアルバムにも「プレイボーイシンドローム」のような曲はあれど、それ以上に「精神ロック」からあらわになってきたように、かやゆーの人間性よりも「どんなバンドでありたいのか」という4人の意思がそのまま音楽になった曲が並んでいる。それはすなわちロックでありパンクであり、カッコいいバンドであるということ。そんな明確な意思と意識を鳴らせるようになったことがこの作品を名盤たらしめているし、最後の「誰かを救ってやる暇などないけど」は不覚にも聴いて涙が出てきてしまった。今でも色々と言われたりすることもあるかもしれないけれど、もう本人たちはそんなことを全く気にしていないはず。なんならこれからの日本のロックシーンを背負っていく存在になるかもしれない、なんてことすら思わせてくれる会心の一撃的なアルバム。
関連記事
EAT THE ELEPHANT A PERFECT CIRCLE
メイナードの別プロジェクト、toolとともに長年沈黙を続けていたa perfect circleの、『eMOTIVe』以来14年ぶりとなる新作。前作でジェームス・イハが加入し話題となったものの、レコー …続きを見る
The End of Yesterday ELLEGARDEN
今年最も驚きというか、本当に出るのかというよりも、リリースされた今となっても本当に出たのか…と思うアルバムなのが、ELLEGARDENのオリジナルアルバムとしては実に16年ぶりになるという「The E …続きを見る
The Nothing KOЯN
ここ最近は3年単位で新譜を出しているKOЯNの13枚目のアルバム。バグパイプで始まる「The End Begins」をはじめ、そこかしこに初期のサウンドを感じさせる。同曲のラストに挿入されたジョナサン …続きを見る
WILD BUNNY BLUES / 野うさぎのブルース a flood of circle
去年のこのランキングの1位もa flood of circleの「花降る空に不滅の歌を」。この数年はリリースされるたびに1位に選出しているが、それはこのバンドが短いスパンでアルバムをリリースし続けてき …続きを見る
おいしいパスタがあると聞いて あいみょん
前々作『青春のエキサイトメント』は自分の中の「売れたい」だとか「知ってほしい」という貪欲さが表れたアルバム、前作『瞬間的シックスセンス』はブレイクスルーのギラギラ感が表れたアルバムという感じで、人間の …続きを見る