/ 2014/09/28
希望に満ち溢れ、生のエネルギーに満ち溢れた力強いメッセージ。
間違いなくアジカンの最高傑作かつ集大成。震災がなければこの作品を最後に彼らは解散していたという。
しかし、それほどまでに悪化していた関係は楽曲から読み取ることは困難だ。
民間人初の宇宙飛行士である元TBS記者の秋山豊寛さんは、宇宙から地球を見たときに「お金や権力や名声などと云ったものが、あまりにもちっぽけで、そういったものに興味が湧かなくなった」そうだ。
宇宙から帰還した秋山さんはTBSを退職して田舎に移り住み農業に従事する。
アジカンのバンド内関係もそういうものだったのだろうなと思う。
地球から空を見ているだけでは気づかないこと。
下から見上げているだけでは気づかないこと。
太陽がある当たり前の世界。
太陽がなくなってから初めて気づくもの。
3.11以降、ものづくりをする人たちには心の片隅に東日本大震災が少なからず存在しているし、コロナ以降にはコロナウイルスに対する意識が少なからず存在している。
音楽のことだけを考えて作られたアルバムだなんて、今となってはなんて贅沢な作品なんだと思う。
そしてアジカンに関しては、この作品までは「バンドの終わり」というものがどこかにあったが、この作品以降は「人生の終わり」についての要素がどこかにあるように思う。
たぶん今ではもう作れないアルバム。
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