/ 2014/10/17
かつて、「サカナクションの音楽はなぜノれるのか」という問いに対して『ROCKIN’ON JAPAN』の山崎洋一郎は「四つ打ちだから」という解を出した。
サカナクションの音楽は、四つ打ちだと意識して聴かなければ四つ打ちだということが見えずらい構成になっている。
おそらく、どこもかしこも四つ打ちの音楽ばかりが溢れている世の中、そして四つ打ちでなければ勝ち上がりづらい当時の音楽シーンに対しての回答がサカナクションの音楽だったのだろう。
『GO TO THE FUTURE』はそんな彼らが今後「勝っていく」ためになにをすればいいか、ということが意識されているアルバムだ。
種まきのアルバムだ。
だが、実験的でありながらも完成度との調和が図られている。
このアルバムは全曲、同じBPMで構成されている。
ゆったりとした一定のBPMの中での揺らぎ、高揚、沈着をゆったりと行き来していく。
一定のBPMで揺らぎを生み出すという行為はDJと同じだ。
この時からサカナクションはクラブミュージックとロックとの融合を行っていたのだ。
このアルバムは完成度に反し商業的な成功を収めたわけではなかったが、このアルバムこそが『サカナクション』なのだと思う。
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