そのバンド名の通りに様々なフェスなどのライブ会場を踊らせまくってきた、夜の本気ダンスのメジャー3rdアルバムはそうした部分は保ちながらも、幅広い音楽性とバンドの普遍性やこれからの可能性を感じさせるものとなった。
まず幅広い音楽性という点で最も大きいのはCreepy Nutsをゲストに迎えた「Movin’」だろう。それは今までのこのバンドにはあまり感じられることがなかったヒップホップの要素をついに取り入れたということであるけれども、ライブではR指定のラップのヴァースをまさかの鈴鹿がドラムを叩きながらこなすという器用な面を見ることができる。ヒップホップは踊れる音楽であるということを証明するようなコラボである。
もう一つの普遍性という点はこのバンドのもともと持っていたメロディアスな部分が過去最高に花開いているということ。サビを一瞬聴いただけで名曲であることがわかる「Sweet Revolution」を筆頭に、アルバムの締めである「Forever Young」も客席が踊るというよりも歌うという景色が容易に想像できる。
ダンスロックバンドというのはフェスなどでの動員力と音源の売り上げが釣り合わないことも多い。フェスでは何万人もライブを観に来るけれどアルバムまでは聴かれていないというような。このバンドも前作まではそのパターンにハマりつつあった。でもこのアルバムができたことによってそれは変わる予感がする。いや、心から変わって欲しいと願っている。