/ 2020/03/01
リリース時と今とではこうしてアルバムのことについて書くことが全く変わってしまった1枚。それはもちろんNICO Touches the Wallsが11月に活動終了を発表したからである。
光村龍哉が「いつか作りたかったアルバム」と語っていた通り、NICO唯一の先行シングル曲が収録されていないアルバム。それは求められるものよりも自分たちの表現欲求に突き動かされてできたアルバムということであるが、それゆえにどこかインディーズ時代のこのバンドを思い起こさせるし、どんなにやりたいように作っても根のメロディメーカーの部分は決して失われておらず、自己満足的な作品でも決してない。NICOの音楽に触れたことがない人にも堂々と最初に渡せる1枚となっている。
しかし。もしこのアルバムを作ったことによってバンドが「やりきった」と感じてしまったのだとしたら。それがバンドの終わりに繋がってしまったのだとしたら。終わってしまった今となるとそんなことも頭をよぎってしまう。もしかしたらこのアルバムが出来なければNICOはまだ今まで通りに続いていたんじゃないかと。
「どうして夢を見るの?」と問いかけるのではなくて「まっさらな夢を見させてよ」と願っていた方が幸せだったんじゃないか。聴いてしまうとそんなことを考えてしまうだけに、名盤でありながらも今年リリースされた中で最も聴けなくなってしまったアルバム。
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