/ 2023/06/16
この企画を始めてから、アジカンは全ての作品で20位以内にランクインしている。それだけ長い期間にクオリティの高い作品を作り続けてきたということでもあるのだが、一部で言われている「ゴッチのソロをアジカンでやっているアルバム」という言説には自分はNOだと言いたいアルバムでもある。
それを最大限に示しているのは山田貴洋が作詞(作曲じゃなくて)でゴッチと共作している「雨音」という曲がこのアルバムに収録されていて、その曲のエレクトロなサウンドがライブも含めてこれまでのアジカンにはないアクセントの曲になっているからだ。そんな曲をゴッチ単独ではなくて山田と共作で生み出したというのが、4人の中で誰よりもアジカンらしさを理解している山田、複雑なリズムも美味しい料理もお手の物(中津川でのジャンケン大会で勝って食べたパスタも美味だった)な伊地知潔、ナチュラルボーン・ロックスターの喜多建介、そしてその3人に支えられている慈愛に満ちた視線を持つゴッチという4人だからこそこのアルバムが生まれたことに他ならない。それはそのままアジカンの未来が「Be Alright」と親指を立てることができるものであることを示している。サウンドというよりもそのメンバーの関係性が見えることによって、最もアジカンらしいアルバムになっている。
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