/ 2020/03/01
tetoというバンドのイメージ。早口で言葉数の多い歌詞と焦燥感すら感じるテンポの速いロックサウンド。それは2018年の個人的年間ベストの1位に選出した「手」からわずか1年で届いたこの「超現実至上主義宣言」にも確かに息づいている要素である。
しかしこのアルバムを聴いて最も驚いたのは、ポップなシンセの音が鳴っている曲が多数あるということ。しかもクレジットを見るとそのシンセを弾いているのは小池貞利(ボーカル&ギター)。紛れもなく小池自身がそのtetoというバンドの持つイメージの刷新に最も意欲的だ。
ライブではもはやアンセム化している「光るまち」の待望のバンドバージョン(シングルのカップリングに収録されていたのは弾き語りだった)から始まるという先頭打者ホームランで幕を開けるこのアルバムは、tetoのライブにおけるはちゃめちゃと言っていいような衝動を感じさせるパフォーマンスもあってか、どこか人生に確かに限りがあって、終わりがくることと向き合わされる。それは紛れもない現実である。それまでにあと何回このアルバムを聴けるだろうか。あと何回tetoのライブを観れるだろうか。いずれ朽ちて無くなってしまうまで。
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