/ 2023/12/28
このアルバムの収録曲6曲(CD版のボーナストラックを入れると7曲)のうち、5曲は既発曲。もう1曲の「イン・ザ・シティ」もライブでは何回も聴いている。そういう意味ではまっさらな新曲というのは入ってないし、ある意味これまでのベスト盤的な作品を自分は今までこのランキングで上位にしたことがない。それはやはり聴いても驚きというものはもうないからであるが、それでもこの少年キッズボウイの初の全国流通盤はこの2位という位置にせざるを得ないくらいに全ての曲が超名曲しかない。
4月に初めて聴いた時から今に至るまで毎日のごとくに聴いているくらいに中毒性を持っている新たな時代のダンスアンセム「最終兵器ディスコ」だけでも盤を買う価値があるのに、その後に次々と配信されてきた曲の全てサウンドが異なる中での百発百中っぷり。「30歳を過ぎたあたりが新しい音楽を聴かなくなる分水嶺」という説をどこかで聞いたが、自分がそうはならないのは今でもこんなに人生を輝かせてくれるような音楽を作ってくれる、若い素晴らしいバンドがいるからだ。
「君が生きるそれだけで僕が生きる理由になるんだよ」
とこの作品の1曲目「君が生きる理由」でソングライターのこーしくんは歌う。本当にその通りな、このバンドが生きている、それだけで自分が生きる理由になる。そんなバンドに出会えたということが2023年の最大の幸福だ。
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