/ 2022/04/07
ビックリするくらいにコロナ禍の影響を感じさせないアルバムだ。それはそうなる前にすでに制作が始まっていたということもあるだろうけれど、それ以上にどんなことがあろうが、どんな世の中だろうがTHE BAWDIESがやることは変わることがないという強い意志の表明でもある。
2年前の「Section #11」が自他共に認める最高傑作と言えるくらいに素晴らしい内容だったのだが、ロックンロールで突っ走るというスタイルだったあのアルバムとは変わり、THE BAWDIESのロックンロールを貫きながらもポップさを感じさせるような曲も多く収録されているのがこれまでのアルバムとは違う部分と言えるだろうか。
その極地が最後に収録された「END OF THE SUMMER」。コロナによる影響を全く感じさせないと冒頭で書いたし、メンバーもその意識で作ったと思われるが、コロナに翻弄された聴き手としてはどうしても2019年までの夏の光景を思い出してしまう。THE BAWDIESがやることは変わらないけれど、ステージから見える景色は変わってしまった。ワンマンでもTAXMAN(ギター)はビールを飲まなくなった。それは我々と一緒にTHE BAWDIESがかつての景色を取り戻しにいこうとしているということだ。それが戻ってきた時に鳴らされていて欲しい12曲が収められたアルバム。
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