/ 2014/10/26
正直、演奏はよくない。音もよくない。
だからこのアルバムはメロディの力で持っている。
別に完璧な音楽を作る必要なんてない。とくに若い時分においては。
演奏や音響や機材が気に食わなかったら然る時に録り直しでもすればいい。
シンプルなギターロック。
だから曲の良さがダイレクトに伝わる。
曲の強度がよくわかる。
特に歌メロはアカペラでも問題ないほど良い。
BUMP OF CHICKENではライブのアンコールの時に観客が「supernova」の一節を歌うけど、あれだってアカペラだ。
アカペラが成立するのはメロディがいいからだ。
じゃあ楽器隊の音は不要なのか。
藤原基央ひとりでデビューさせたいと思ったレーベルは正しいのか。
それは否だ。
たしかに『FLAME VEIN』に限って言えば、スタジオミュージシャンで固めれば耳障りはよくなっただろう。
でもそれではもちろん今日のBUMP OF CHICKENは存在しない。
BUMP OF CHICKENはこの4人でなければBUMP OF CHICKENではないのだ。
BUMP OF CHICKENの4人が鳴らした音でなければ意味がないのだ。
演奏や音響や機材が気に食わなかったら然る時に録り直しでもすればいいのだから。
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