/ 2020/03/01
去年からズーカラデルのライブを見る機会が何回かあった。その時に感じたのは、初期のくるりのような文系ギターロックバンドが出てきたな、というものだった。
しかし今年リリースした初のフルアルバムにしてセルフタイトルのアルバムは、もはやこのバンドがそうした誰かのフォロワーであるという形容を無効化するくらいの名盤であった。これまでの集大成であり、新たな始まりでもあるだけにすでにリリースされていた曲も再録されているのだが、ニューヨークで新たにミックスされたその曲たちはミニアルバムのバージョンよりもはるかにロックに、そしてバンドらしく進化している。
その進化っぷりにこれからのこのバンドの未来にはドキドキせざるを得ないし、見た目は全くロックスター感のないメンバーたちだからこその選ばれたロックバンドが持つ魔法のような力を感じさせる。そしてこれはまだこのバンドの長くなるであろう歴史の「前夜」なのである。
関連記事
花降る空に不滅の歌を a flood of circle
また1位このバンドか、と思われてしまいそうなくらいに、近年はアルバムを出せば毎回1位に選出しているのは決してバンドサイドからの回し者であるわけではなくて、年間180本近くライブに行っている中で最も多く …続きを見る
Bedroom Joule [ALEXANDROS]
このコロナ禍で、がリモートで作り上げたアルバム。既存曲のアンプラグドアレンジが中心。
コロナの時代のせいか、世間は今、シリアスすぎる音楽を求めていない気がします。心に迫るような計算され尽くした音楽で …続きを見る
ソルファ ASIAN KUNG-FU GENERATION
AKG最大のヒットアルバムにして初期の大傑作。大ヒットシングル『リライト』を収録したこのアルバムで、彼らは一気に国民的バンドへの道を駆け上った。シングル曲のクオリティの高さはもちろ …続きを見る
sakanaction サカナクション
サカナクションのやりたかったこととリスナーが聞きたかったものが最高の形で結実したアルバム。
このアルバムはバランスのアルバム。
先述の「サカナクションのやりたかったこととリスナーが聞きたかったもの …続きを見る
fishmonger underscores
2022年3月28日に発売される『ユリイカ』でハイパーポップが特集される。
その『ユリイカ』を読んで自分の中のハイパーポップ論に影響を受けてしまうのを避けたいのでこのレビューを書いている。
これか …続きを見る
So kakkoii 宇宙 小沢健二
2010年代の後半って、コーネリアスだったり、岡村靖幸だったり、寡作なアーティストが久しぶりにアルバムを出したりして。そんななかに小沢健二ですよ。皆さん共通して、この時代にアルバムを出すべきだ! と感 …続きを見る