/ 2020/03/01
去年からズーカラデルのライブを見る機会が何回かあった。その時に感じたのは、初期のくるりのような文系ギターロックバンドが出てきたな、というものだった。
しかし今年リリースした初のフルアルバムにしてセルフタイトルのアルバムは、もはやこのバンドがそうした誰かのフォロワーであるという形容を無効化するくらいの名盤であった。これまでの集大成であり、新たな始まりでもあるだけにすでにリリースされていた曲も再録されているのだが、ニューヨークで新たにミックスされたその曲たちはミニアルバムのバージョンよりもはるかにロックに、そしてバンドらしく進化している。
その進化っぷりにこれからのこのバンドの未来にはドキドキせざるを得ないし、見た目は全くロックスター感のないメンバーたちだからこその選ばれたロックバンドが持つ魔法のような力を感じさせる。そしてこれはまだこのバンドの長くなるであろう歴史の「前夜」なのである。
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