毎週観ているSPACE SHOWER TVの番組「モンスターロック」内で流れたMVを観て一瞬で耳を奪われた。何の目新しさもない、でもキラッキラに輝くメロディックパンク。AIRFLIPというバンドの「Rise Again」という曲だった。
メロディックパンクは他のジャンルの要素を取り入れて差別化を図るか、あるいはひたすらにメロディを研ぎ澄ますかという2択にならざるを得ないスタイルの音楽だ。前者が流行を敏感に嗅ぎ取る器用なタイプのバンドだとするならば、後者はむしろ不器用と言ってもいい。ある意味では10年以上前のバンドからやっていることは変わらないから。
でもそうしてひたすらにメロディに磨きをかけるというのは果たして時代遅れの、誰も耳に止めないようなものなんだろうかと問われるならばそれはNoだ。一切の小細工や戦略もない、もう「これしかないんだ!」とばかりに一点のみを研ぎ澄ますようにそのメロディの力を信じ、一瞬で聴いた人間の耳や心に突き刺さるような曲を描くこのAIRFLIPのようなバンドがいる限りは。
18年くらい前に、CDTVのエンディングテーマとして流れたあるメロディックパンクの曲に耳を奪われた瞬間のことを思い出した。その曲はELLEGARDENの「ジダーバグ」であった。あの曲の輝きが今も全く変わっていないように、この「All For One」の曲たちもこれから先どんな時代でも輝き続けていく、新しいメロディックパンクの金字塔になるはずだ。
/ 2021/01/29