/ 2021/01/03
例えばリリースされたばかりの「令和二年」を始め、amazarashiは常に「今のこと」を歌いながらも、ライブでは数年前の曲を、朗読などの演出や前後の曲と組み合わせて響かせることによって「今を描いた曲」として普遍性を与えてきたアーティストである。
この「ボイコット」は3月リリースであり、制作されたのは昨年からだと思われるので、コロナの影響はほとんどというか、全く受けてはいないだろう。だが「帰ってこいよ」「さよならごっこ」という、もう会えないかもしれない別れを描いた曲から、「マスクチルドレン」(マスクの意味合いはコロナとは違うが)「リビングデッド」「死んでるみたいに眠ってる」という、こうした世界になることを予期していたかのような曲まで、amazarashiは今を歌いながらも、その今はその瞬間だけでなく、いついかなる時の今を描いていたということがわかる。
しかしそんな暗さや絶望だけではない。「未来になれなかったあの夜に」「そういう人になりたいぜ」というラスト2曲から感じられるのは、生き延びている我々だからこそ持つことができる希望の光だ。音楽で社会や世の中と戦うことを諦めることができない我々のための叙事詩。
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