/ 2023/06/16
「2022年を代表するアーティスト」と言われた時に最も名前が挙がるのは間違いなくAdoだろう。「ONE PIECE FILM RED」でのウタとしての歌唱は「この映画はAdoのMVだ」と言われたりするくらいにAdoの歌声がなくては成立することがなかった大ヒット映画だからである。
その映画の歌唱アルバムに先んじてリリースされた1stフルアルバムでも、そのあらゆるジャンル、サウンドを変幻自在かつ飛び抜けた歌唱力でAdoのものにしてしまう表現力は遺憾無く発揮されているし、後半に配置されることによってあの社会現象と言える大ヒットとなった「うっせぇわ」すらもアルバムの中の1曲として聴けるようになっているトータリティもさすがだ。
個人的に「今1番歌声が凄いボーカリストは誰か?」という問いには「ずっと真夜中でいいのに。のACAね」と答えるようにしているが、そのACAねもライブを見てそう思うようになった。でもAdoはまだライブを見ていない、このアルバムの音源を聴いただけでその問いに名前を挙げたくなる。それくらいに音源を聴いているだけでも震えるくらいの感情が歌声から放出されている。こんなボーカリストには今まで生きてきて出会ったことがない。それだけにCOUNTDOWN JAPANでライブでこの歌声を聴いたら自分はどんな感情を抱くのだろうか。楽しみでもあり、恐ろしくすら感じている存在。
関連記事
2020 a flood of circle
19位に選出した、佐々木亮介と青木テツによるSATETSUのアルバムは明確に「対コロナ」を意識したアルバムであるということを書いた。タイトルだけ見たらそれ以上に対コロナを意識したように見える本隊のa …続きを見る
Songs of Innocence & Experience DYGL
再生した瞬間の感想「え?これ本当に日本のバンド?10年くらい前のアメリカのインディーズバンドじゃなくて?」というくらいにサウンドも英語の発音のスムースさも今の日本のバンドでは聴けないもの。でもそれは懐 …続きを見る
Flibbiddydibbiddydob Snuff
11曲で17分という短さの上に全てカバー曲(及びお遊び曲)で埋め尽くされたスナッフのセカンドアルバム。一枚目のシリアス感とはうって変わって悪ふざけ満載ですが、この振り幅もスナッフの魅力なんです。スペシ …続きを見る
だから僕は音楽を辞めた ヨルシカ
本作『だから僕は音楽を辞めた』は、音楽を辞めることになった青年“エイミー”が、“エルマ”という人物に向けて作った楽曲である、というコンセプトのアルバム。だから『だから僕は音楽を辞めた』と『エルマ』は対 …続きを見る