/ 2014/10/19
前作『GO TO THE FUTURE』は種まきのアルバムだったが、今作も種まきのアルバムである。
というかサカナクションは常に挑戦し続けている。挑戦してアップデート、挑戦してアップデートの繰り返しだ。音楽に限らず、ライブも。演出も。プロモーションも。
前作では同一BPM上での揺らぎでクラブミュージックを表現したが、今作は音色のアプローチからクラブミュージックを表現している。
山口一郎が敬愛するレイ・ハラカミや、YMOをはじめとする日本のテクノに流れる血脈がサカナクションにも流れ込んでいる。
現在、DTMの世界ではそれこそ無限に音色を選ぶことができる。
だがこのアルバムにおいては、レイ・ハラカミがSC-88Proを愛用しつづけたように、目の前にある機材だけから音を選んでいるように思える。
DJが曲をつないでいくように、同じ音色でつなぎ続けている。
音が同じ楽器から出ているからつなぎに違和感なく50分が過ぎていく。
同じ音だから、頭に戻ってもまた違和感なく50分が過ぎていく。
『NIGHT FISHING』というタイトルの「NIGHT」には、オールナイトパーティの明け方のだらっとした時間も含まれているのかな、と思いました。
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