/ 2023/06/16
これまでのハルカミライの曲や音源は「ライブで見てこそ真価を発揮する」というものだった。それは前作「THE BAND STAR」リリース時もそう書いたが、あまりにもライブが凄まじすぎるが故に、それをそのまま音源に封じ込めることができていないというか、そもそも音源とライブが別物であるだけにそれは無理な話だというか。
そんなハルカミライの「ニューマニア」がここまでの傑作になったのは、語弊を恐れずに言えばめちゃくちゃポップだから。パンクバンドとしての激しさというよりも、J-POPシーンや地上波のテレビのど真ん中で流れてもおかしくないくらいのポップさ。そのポップさがそもそも持っているこのバンドのメロディの素晴らしさやキャッチーさを最大限に引き出すものになった。つまりはこれまでのアルバムとは向いているベクトルが全く違うとも言えるのだが、
「ねえ逃げ出さない?ねえここから」
と歌うこのバンドとともに日常社会から逃げ出した先へ向かうのは紛れもなくあの熱狂に溢れたライブハウスだ。どこまでもポップになったとしても、このバンドほどそこへ誘ってくれるバンドは他にいない。
関連記事
QUIZMASTER NICO Touches the Walls
リリース時と今とではこうしてアルバムのことについて書くことが全く変わってしまった1枚。それはもちろんNICO Touches the Wallsが11月に活動終了を発表したからである。
光村龍哉が「 …続きを見る
STRAY SHEEP 米津玄師
“Lemon”、“パプリカ”といった国民的ヒット曲を生み出し、満を持して発売された米津玄師の最新アルバム。このアルバムには米津玄師にとって2つのエポックメイキングがあって、ひとつはボーカル。いままでの …続きを見る
unity Mrs. GREEN APPLE
活動休止を経てのシーズン2開幕を宣言する、Mrs. GREEN APPLEの再始動後初のミニアルバム。髙野清宗と山中綾華というリズム隊の脱退というあまりにショッキング過ぎるニュース、大森元貴のソロ活動 …続きを見る
Chedder Flavor WANIMA
パンクシーンだけに留まらない支持を得ながらキャリアを重ねてきたパンクバンドは支持だけでなくサウンドもパンクに留まらないものを得ようとする。というかそうして進化しようとする。それは経験や技術を重ねたこと …続きを見る
PANDORA go!go!vanillas
go!go!vanillasの歴史はサウンドの広がりの歴史だと思っている。ロックンロールバンドとしてシーンに登場しながらも、世界中のありとあらゆる音楽を聴き、オフにはレコード屋に行って古今東西のレコー …続きを見る