2014年に「Progressive」がリリースされた時に新代田FEVERにリリース記念主催イベントを観に行った。まだほとんどのメンバーが10代であり、表情には幼さを残しながらも、その楽曲とライブの完成度は本当に素晴らしく、これはすぐにとんでもないところまで行くなと思っていたが、まさかこんなにTV番組などで目にしまくるような存在になるとは思っていなかった。そんなMrs. GREEN APPLEがフェーズ2に入って放つ最初のフルアルバムである。
毎回ミセスのアルバムが素晴らしいのはそのボリュームと、それぞれの曲のバランスとクオリティの高さが貫かれており、それはアルバム発売前に入念なメンバー間での意思統一が図られているからだろうけれど、今作もやはり先行曲としてリリースされた段階で大ヒットした「ケセラセラ」は「ENSEMBLE」期のさらに先に見えていたものを今にして表現したことや、10代の頃からずば抜けていた大森元貴の歌唱力がより深い表現力を獲得したことによって、音源ですら心や魂が揺さぶられるバラード曲「Soranji」と、これまでのミセスの最新進化形と言える曲から、「BFF」のような今の3人の関係性あってこそ生まれるような曲まで。毎回変化を果たしながらも我々の期待を裏切るようなことは全くない。むしろそれをいつだって上回ったものを作ってくれる。それこそがどんなに変化しても変わることがないミセスの核であり軸。唯一の後悔は夏のベルーナドームワンマンがフェスと被って行けなかったこと。
/ 2023/12/28