/ 2023/12/28
ほぼメディアに出ないために追っているファン以外には伝わっていないだろうけれど、実はamazarashiの2023年は色々あった。それを経ての、というかそんな中でも届けられた新作「永遠市」は「下を向いて歩こう」「俯きヶ丘」など、実にamazarashiらしい言語感覚と生きていく姿勢が感じられる作品になっている。
それはamazarashiがずっと歌ってきたことである、生きづらい世界や社会であっても自分らしさを捨てることなく生きていくということが今作もそのまま歌詞になっているということ。下を向いても俯いてもいい。それでも生きているということをamazarashiの音楽は肯定してくれている。以前のようなわかりやすいコンセプトや流れというわけではないけれど、それでも「アンチノミー」がこの流れで聴くとシングルリリース時とは全く違うように聴こえるというのはさすがであるし、「ディザスター」での美しいコーラスはamazarashiが秋田ひろむと豊川真奈美の2人によるものであるということを示してくれている。全ての人に刺さるわけはないけれど、刺さってしまった人からは一生抜けない針のような音楽。
関連記事
君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命 銀杏BOYZ
*『DOOR』と『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』は、僕の中では2枚組のファーストアルバムである。よって、この2枚には同じレビューが掲載されているが、そういう意図であることを理解いただけたら嬉しい。 …続きを見る
BBG ベボガ!(虹のコンキスタドール黄組)
2018年4月11日、ついにメジャーデビューするベボガ!。
ぺろりん先生はイラスト投稿で跳ね、グラビアモデルしたり本を出したり、でんぱ組の新メンバーになったりと知名度をあげているが、グループの勢いは …続きを見る
慈愚挫愚 四 – 最高- -真天地開闢集団-ジグザグ
ライブでは完全にコントして披露された「おっかちゃん」から始まるというのも、命様(ボーカル&ギター)の出で立ちとキャラも、完全にそこだけを見たら飛び道具的なバンドだと思っても仕方がないバンド、真 …続きを見る
「Sun Dance」「Penny Rain」 Aimer
何度かライブを観ているけれども、自分はハッキリとしたAimerの顔がわからない。それは大きな会場でのライブになると設置されているスクリーンには彼女の顔が映されることはないというミステリアスなイメージを …続きを見る
BOY & GIRLS ヤングスキニー
これまでの代表曲と言える「ゴミ人間、俺」のように、前までのヤングスキニーはクズを自覚していながらもそれを直そうというよりは「それが自分である」というある意味での開き直り的とも言えるようなかやゆーの人間 …続きを見る
Songs of Innocence & Experience DYGL
再生した瞬間の感想「え?これ本当に日本のバンド?10年くらい前のアメリカのインディーズバンドじゃなくて?」というくらいにサウンドも英語の発音のスムースさも今の日本のバンドでは聴けないもの。でもそれは懐 …続きを見る