/ 2023/12/28
ほぼメディアに出ないために追っているファン以外には伝わっていないだろうけれど、実はamazarashiの2023年は色々あった。それを経ての、というかそんな中でも届けられた新作「永遠市」は「下を向いて歩こう」「俯きヶ丘」など、実にamazarashiらしい言語感覚と生きていく姿勢が感じられる作品になっている。
それはamazarashiがずっと歌ってきたことである、生きづらい世界や社会であっても自分らしさを捨てることなく生きていくということが今作もそのまま歌詞になっているということ。下を向いても俯いてもいい。それでも生きているということをamazarashiの音楽は肯定してくれている。以前のようなわかりやすいコンセプトや流れというわけではないけれど、それでも「アンチノミー」がこの流れで聴くとシングルリリース時とは全く違うように聴こえるというのはさすがであるし、「ディザスター」での美しいコーラスはamazarashiが秋田ひろむと豊川真奈美の2人によるものであるということを示してくれている。全ての人に刺さるわけはないけれど、刺さってしまった人からは一生抜けない針のような音楽。
関連記事
ホームタウン ASIAN KUNG-FU GENERATION
どんなに安いスピーカーやイヤホンでも、一聴すると音質の良さにびっくりすると思う。「日本の録音技術の伝道」や「海外との録音技術の差を埋める」といったゴッチの使命感のようなものが産んだ、音質の化け物みたい …続きを見る
朗らかな皮膚とて不服 ずっと真夜中でいいのに。
昨年フルアルバム「潜潜話」をリリースしているが、その先行作としてリリースされた「正しい偽りからの起床」「今は今で誓いは笑みで」という2枚のミニアルバムで感じた期待度からすると、年間ベストクラスのアルバ …続きを見る
JOY~TATSURO YAMASHITA LIVE 山下達郎
山下達郎の唯一のライブアルバム。1989年ごろのライブの模様が収められたアルバムなんだけど、ほぼ現在の山下達郎のライブと同じ。というか根っこが変わっていない。だから2018年に山下達郎のライブに行って …続きを見る
RAINBOW PIZZA 佐々木亮介
自分は佐々木亮介の作る音楽が好きである。それはa flood of circleというカッコ良いロックンロールバンドのボーカルでありメインソングライターであるというのが1番大きな理由なのは間違いない。 …続きを見る
THUNDERSTEEL Riot
某著名な、もちろん筆者も尊敬しているギター講師の方のブログで、メタルばっかり聴いているとギターが上達しないという記事があった。
読み進めると、メタルは常に全力の演奏になりがちで様々な音楽にとって非常 …続きを見る
TIGHTROPE 9mm Parabellum Bullet
収録曲10曲、収録時間約35分。その再生したらあっという間に終わってしまうという駆け抜けっぷりには9mmの金字塔的なアルバムである「Revolutionary」を彷彿とさせた人もたくさんいるんじゃない …続きを見る