/ 2023/12/28
さまざまなサウンドを取り入れながら進化してきたBIGMAMAが、ドラマーがバケツ君ことビスたんに変わっての初のフルアルバムは「学園」をテーマにしたことによって初期のエモ・パンクへと立ち返るものになった。
とはいえもうメンバーも30代後半。初期衝動だけでエモやパンクを鳴らせない年齢になりながらも、やはりこのアルバムからはそれを感じられるのはビスたんが加入しての新しい体制になったからこそであろうし、ツアーに合わせて黄色いトラックを自費購入したりと、様々な「新しく始まった」という要素と、今の年齢だからこそ青春を俯瞰して見れているという金井政人の視点がこのアルバムを今のBIGMAMAにしか作れない作品たらしめているし、今でもこのバンドの音楽を聴いて体が震える感覚=カッコいいと思えるものであるということを確かめさせてくれる。
アルバムリリースツアーではこのアルバムのサウンドに合わせて初期のエモ・パンクな曲もたくさん演奏された。その曲たちに強い思い入れを持っているからこそ、観ていて泣いてしまった部分もたくさんあった。もちろんたくさんの人に聴いてもらいたい作品ではあるけれど、まずはかつて同じようにこのバンドのライブで汗まみれになっていた、でも今はほとんどライブに行かなくなってしまったような人たちから届いて欲しいと思っている。
関連記事
Attitude Mrs. GREEN APPLE
先行配信された「インフェルノ」を聴いた時に「これは!?」と思った。メジャーデビュー以降は明確な意識を持って自分たちのサウンドを変化させてきたMrs. GREEN APPLEがまるでメジャーデビュー期や …続きを見る
ONE MORE SHABON 秋山黄色
CDを買ってきて最初に再生した時に真っ先に抱いた感想は「なんてノリにくい、複雑なリズムの曲とアルバムなんだ」ということ。こちらが乗ろうとしている通りのリズムで全然ドラムが鳴ってこない。だから聴いていて …続きを見る
アラビアの禁断の多数決 禁断の多数決
このアルバムがリリースされた当時、僕は2ちゃんねるのまとめサイトをやっていた。
もう2ちゃんねるのことを知らない人も多いかもしれない。
2ちゃんねるというのは匿名掲示板の集合体で、要は全員が匿名の …続きを見る
THE KEBABS THE KEBABS
19位のSATETSUに続き、佐々木亮介がボーカルを務めるバンド、THE KEBABSのファーストアルバムである。
そうなるとただ単に佐々木亮介のファンだからという視点が入りがちであるが、そもそもア …続きを見る