/ 2025/03/11
前半を聴いただけでも次々にサウンドもテンポも、なんならボーカルすらも次々に変わっていくという幅広さを持ったアルバムであるということがわかる。でもそれはとっ散らかっているというわけではなくて、PEOPLE 1というバンドが持っている音楽的な要素の全てがこの作品に詰まっているということが最後まで聴くとよくわかる。だからこそ聴き終わった後にはまさに宇宙を旅してきたかのような感覚にすらなるのだが、それは冒頭と途中に入っているインタールード的な曲による効果も大きいだろう。
何よりもそれだけサウンドの幅が広い、アッパーなパーティーチューンから沁み入るようなバラード、それぞれが抜群の歌唱力を持ったゲストボーカル曲などがありながらも、どれもがただひたすらに「良い曲だな」と思えるメロディと歌詞の強度たるや。年始のぴあアリーナで3人だけでandymoriのカバーをやったのを観て「高円寺にて」が生まれた理由がわかったように、この作品の曲たちには首謀者・Deuの音楽とともに生きてきた人生が刻み込まれている。
関連記事
QUIZMASTER NICO Touches the Walls
リリース時と今とではこうしてアルバムのことについて書くことが全く変わってしまった1枚。それはもちろんNICO Touches the Wallsが11月に活動終了を発表したからである。
光村龍哉が「 …続きを見る
FIZZY POP SYNDROME 秋山黄色
昨年の1stフルアルバム「From DROPOUT」は衝撃的な大名盤だった。昨年のこの企画で2位に挙げ、おそらく再生数では2020年で1番のアルバムだった。
そんな完璧な1stの後に早くも届いた秋山 …続きを見る
RAINBOW PIZZA 佐々木亮介
自分は佐々木亮介の作る音楽が好きである。それはa flood of circleというカッコ良いロックンロールバンドのボーカルでありメインソングライターであるというのが1番大きな理由なのは間違いない。 …続きを見る
シンクロニシティーン 相対性理論
真部氏・西浦氏の所属していた4人体制の相対性理論の最後のアルバム。
このアルバムが発売されてから2年ほどあとに両氏の脱退が発表されたため、本作には、ネガティブな音が(一聴してわかるようには)入ってい …続きを見る
The Uplift Mofo Party Plan Red Hot Chili Peppers
レッチリのギターにしてオリジナルメンバー、ヒレルの遺作となってしまった三枚目。そんな悲しい出来事とは裏腹に音の方はこれまでに比べて格段にアップしてます。高い演奏能力を武器に繰り出されるバカ全開のノリ。 …続きを見る