/ 2023/12/28
近年の「毎月以上のペースで新曲が出ている」というハイペースなリリースっぷりによって「果たして次にアルバムという形で着地できるのか?」とも思っていたVaundyのアルバムは既発曲をボーナスディスク的なDISC2にまとめ、 DISC1は全て新曲という驚異の35曲、トータル2時間を超える超大作に。
なので通して聴くにはそれ相応の時間と準備が必要なアルバムでもあるのだが、「replica」というタイトルとDavid BowieからNirvana、Oasisなどの偉人たちのサウンドを参照したことによって、デビュー時同様、いやそれ以上に一部からとやかく言われている感のあるアルバムでもある。かくいう自分も最初は「この人は本物なのだろうか?」とも思っていたのであるが、初めてライブを観て歌唱を聴いた時にそんなことを思っていた自分がバカらしく思えてしまった。それくらいにVaundyはこの人の歌声があるからこそ表現できるというよりこの歌声がないと表現できない音楽を作っている。だからこそこのアルバムの曲たちもライブで聴いた時には「replica」という単語の意味合いが変わるくらいにVaundyにしか作り、鳴らし得ない作品だと思えるはず。
関連記事
ソルファ (2016) ASIAN KUNG-FU GENERATION
過去の楽曲を再構築して録り直したアルバムだと、クラムボンの『Re-clammbon』シリーズがあるけど、このアルバムは過去の楽曲を再構築したわけでも、新しい解釈をして録り直したわけでもない。『ソルファ …続きを見る
ONE MORE SHABON 秋山黄色
CDを買ってきて最初に再生した時に真っ先に抱いた感想は「なんてノリにくい、複雑なリズムの曲とアルバムなんだ」ということ。こちらが乗ろうとしている通りのリズムで全然ドラムが鳴ってこない。だから聴いていて …続きを見る
How Did We Get So Dark? Royal Blood
もしあなたが今、初めて彼らの曲を聴いているとしたら、そのサウンドがマイク・カー(Ba)とベン・サッチャー(Drs)から成るたったふたりのデュオによって奏でられているとはにわかには信じられないのではない …続きを見る
THE UNHEAVENLY CREATUERS Coheed and Cambria
プログレッシヴかつエモーショナル、ハードなサウンドとキャッチーなメロディの絶妙なバランス感が世界中のコアなファンを熱狂させてきたコヒード・アンド・カンブリア。本作は、前作より約3年ぶり、通算9作目のオ …続きを見る