/ 2025/03/11
再生した瞬間の「STARDUST」での「え!?めちゃくちゃギター鳴りまくってるじゃん!」という驚きは現代において敢えて90〜00年代の下北系ギターロックと言ってもいいサウンドを選んでいた「ワンス・アポン・ア・リバイバル」(「リバイバル」という単語が入ってるのがそれを示しているが、個人的にはSUPERCAR「スリーアウトチェンジ」を思い出す)以降はそのサウンドにとどまるというよりもむしろ、WurtSがその音楽性をあらゆる方向に拡張した曲をリリースしてきたからである。
しかしながらその再生した瞬間から自分がこのアルバムに対して抱いたのは「ロックだな」というものだった。インタビューでも当初のアルバムの想定からはかなり内容が変わったことを口にしていたが、実際にその音楽的な広がりを示してきた先行配信シングルたちが全く収録されていないというのもこのアルバムから感じるロックさの要素の一つだろうし、何よりもギター、ベース、ドラム(とうさぎDJ)という形態でライブをやりまくってきた結果として今WurtSが選んだのがこのギターロックサウンドだということだと言っていいだろう。もはやデビュー時の「研究者」ではなく、ただただ「ロックスター」になったWurtSがこのアルバムにはいる。
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