/ 2025/03/11
再生した瞬間の「STARDUST」での「え!?めちゃくちゃギター鳴りまくってるじゃん!」という驚きは現代において敢えて90〜00年代の下北系ギターロックと言ってもいいサウンドを選んでいた「ワンス・アポン・ア・リバイバル」(「リバイバル」という単語が入ってるのがそれを示しているが、個人的にはSUPERCAR「スリーアウトチェンジ」を思い出す)以降はそのサウンドにとどまるというよりもむしろ、WurtSがその音楽性をあらゆる方向に拡張した曲をリリースしてきたからである。
しかしながらその再生した瞬間から自分がこのアルバムに対して抱いたのは「ロックだな」というものだった。インタビューでも当初のアルバムの想定からはかなり内容が変わったことを口にしていたが、実際にその音楽的な広がりを示してきた先行配信シングルたちが全く収録されていないというのもこのアルバムから感じるロックさの要素の一つだろうし、何よりもギター、ベース、ドラム(とうさぎDJ)という形態でライブをやりまくってきた結果として今WurtSが選んだのがこのギターロックサウンドだということだと言っていいだろう。もはやデビュー時の「研究者」ではなく、ただただ「ロックスター」になったWurtSがこのアルバムにはいる。
関連記事
FLOWERS go!go!vanillas
昨年のアルバム「PANDORA」を3位に選出したgo!go!vanillasが早くも新作アルバムをリリース。前作にあったような「one shot kill」のようなロックンロールな曲がないのは、このア …続きを見る
So kakkoii 宇宙 小沢健二
2010年代の後半って、コーネリアスだったり、岡村靖幸だったり、寡作なアーティストが久しぶりにアルバムを出したりして。そんななかに小沢健二ですよ。皆さん共通して、この時代にアルバムを出すべきだ! と感 …続きを見る
プラネットフォークス ASIAN KUNG-FU GENERATION
この企画を始めてから、アジカンは全ての作品で20位以内にランクインしている。それだけ長い期間にクオリティの高い作品を作り続けてきたということでもあるのだが、一部で言われている「ゴッチのソロをアジカンで …続きを見る
崩壊アンプリファー ASIAN KUNG-FU GENERATION
00年代を代表するバンド・ASIAN KUNG-FU GENERATIONのインディーズ時代のアルバム。もちろん、のちのアジカンと比べると荒いし青い。でも狭いスタジオでないと生まれない音がある。
高 …続きを見る
millions of oblivion THE PINBALLS
このベストディスクの記事を書くタイミングの直前、12月16日にリリースされた、2020年のラスボス的なアルバム。
THE PINBALLSは「とりあえず衝動と激しさ」の音楽というイメージを持たれがち …続きを見る