/ 2025/03/11
正直言ってライブでリリース前の「カタルシス」を聴いた時は「ちょっと難解な曲過ぎないですかね…?」と思っていたし、だからこそその時に製作中だと言っていたこのアルバムがどんな内容になるのか全く予想がつかないでいた。
しかしいざリリースされた9mm Parabellum Bulletの「YOU NEED FREEDOM TO BE YOU」はその「カタルシス」がむしろアルバムの中で良い違和感を醸し出していると言っていいくらいに「9mmらしさ」が全開になっているアルバムだと言っていいだろう。個人的には「Revolutionary」「Dawning」に続くような9mmど真ん中の系譜のアルバムというか。それは冒頭の「Baby, Please Burn Out」から「カッコ良すぎるだろこれ!」とデビューから15年が経っても衝撃を喰らうようなメタリックなギターと超人的なリズム隊、そして菅原卓郎の包容力とスケールを兼ね備えた歌唱という9mmを構成する要素が全開で鳴らされているからである。今やメタルなどの要素をメタルではないバンドが取り入れたり、速弾きギターや曲芸的なドラム、デスボイス的なシャウトを当たり前のように取り入れているバンドがたくさんいる。でもそうしたバンドが好きな人たちにこそ、今このアルバムで9mmに出会って欲しいと切に思う。これは魔法。
関連記事
FIZZY POP SYNDROME 秋山黄色
昨年の1stフルアルバム「From DROPOUT」は衝撃的な大名盤だった。昨年のこの企画で2位に挙げ、おそらく再生数では2020年で1番のアルバムだった。
そんな完璧な1stの後に早くも届いた秋山 …続きを見る
melt pop Conton Candy
その曲で地上波の音楽番組なんかにも出演したりしていただけに、もしかしたら「「ファジーネーブル」のバンド」、それとともに「ポップで可愛い感じの曲のバンド」というイメージをこのConton Candyに持 …続きを見る
君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命 銀杏BOYZ
*『DOOR』と『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』は、僕の中では2枚組のファーストアルバムである。よって、この2枚には同じレビューが掲載されているが、そういう意図であることを理解いただけたら嬉しい。 …続きを見る
WILD BUNNY BLUES / 野うさぎのブルース a flood of circle
去年のこのランキングの1位もa flood of circleの「花降る空に不滅の歌を」。この数年はリリースされるたびに1位に選出しているが、それはこのバンドが短いスパンでアルバムをリリースし続けてき …続きを見る