/ 2021/01/03
このベストディスクの記事を書くタイミングの直前、12月16日にリリースされた、2020年のラスボス的なアルバム。
THE PINBALLSは「とりあえず衝動と激しさ」の音楽というイメージを持たれがちなロックンロールというジャンルのバンドの中にあって、「蝙蝠と聖レオンハルト」などのタイトルに代表されるように、まるで小説のような歌詞でロックンロールを鳴らすという唯一無二のバンドである。
今回の「millions of oblivion」もCDに封入されている歌詞カードの、普通に聴く分にはあまりにも読みにくくなっている構成だけでただ単に曲を集めたというアルバムでないことがわかるのだが、そうした聴けば聴くほどに1曲1曲への理解度が深まっていき、それによってアルバム全体の理解度がさらに深まっていくという仕掛けが施されたアルバム。
今年はアコースティックアレンジアルバム「Dress Up」もリリースしており、その元々持っているメロディの良さを改めて知らしめたが、話題のアニメなどの大型タイアップも増えていながら、いつかこのバンドの曲がアニメや映画になる日も来るんじゃないかとすら思える。
関連記事
Tokyo Emotional Gakuen BIGMAMA
さまざまなサウンドを取り入れながら進化してきたBIGMAMAが、ドラマーがバケツ君ことビスたんに変わっての初のフルアルバムは「学園」をテーマにしたことによって初期のエモ・パンクへと立ち返るものになった …続きを見る
フィードバックファイル ASIAN KUNG-FU GENERATION
アジカンのカップリング集第一弾。『裏ベスト』といっても遜色ない内容。
時系列順に並んでいるため彼らの歩みを感じ取れる。
ボーナストラックとして未発表曲2曲とライブ音源を5曲収録。ライブバージョンの …続きを見る
FOREVER DAZE RADWIMPS
何かとRADWIMPSのファンとしては心中穏やかではいられない1年だったが、そんな中でもRADWIMPSはコロナ禍になったことを受けた楽曲を精力的にリリースしてきた。その中にはミュージックステーション …続きを見る
QUIZMASTER NICO Touches the Walls
リリース時と今とではこうしてアルバムのことについて書くことが全く変わってしまった1枚。それはもちろんNICO Touches the Wallsが11月に活動終了を発表したからである。
光村龍哉が「 …続きを見る
サーフ ブンガク カマクラ ASIAN KUNG-FU GENERATION
アジカンのフロントマン、後藤正文氏がインタビューで「一番好きなアルバム」と語っている本作。
「江ノ電」という明確なコンセプトがあり、江ノ電を藤沢から鎌倉まで乗 …続きを見る