自分はBase Ball Bearのメンバーがまだ20歳くらいの時からずっと音源を聴いて、ライブに通っている。(知った時はまだ下北沢のインディーズバンドだった)
そうしてずっとベボベを追いかけ続けて来たのはベボベの生み出してきた音楽と行ってきたライブがいつだって、形が変わったって素晴らしいものであり続けてきたからであるのだが、この年間ベストの企画で最後に上位に入れたのはおそらく2015年の「C2」だと思われる。
バンドの形も変わって変化作となった「光源」はまた別として、前作フルアルバムの「C3」がランクインするに至らなかったのは、ライブ会場限定も含めて先行EPの曲が全てアルバムに収録されているという、コアなファンであればあるほどに新鮮味が感じられない内容だったからである。
しかし、やはり曲のクオリティ、アルバムのクオリティとして素晴らしいものを生み出しているバンドであるということを証明するのがこの「DIARY KEY」である。スリーピース・ギターロックバンドとしてのベボベを突き詰めたようなサウンドで、とりわけ耳を惹くのは関根史織がメインボーカルを務める「A HAPPY NEW YEAR」であり、
「A HAPPY NEW YEAR! ふたりに
幸せたくさんありますように
生きてくれてありがとう
幸せが降り注ぎますように
願ってる いまもいつものように
いつでも いつでも」
という歌詞からはとかく青春を歌ってきたというイメージが今なお強いベボベのメンバーが大人になったんだなと感じるとともに、いろんなことをずっと見てきたファンとして、3人のこれからに幸せがたくさんありますように、と思える曲になっている。またいつか正月に日本武道館ワンマンでこの曲を聴くことができることを願ってる。
/ 2022/04/07