/ 2023/06/16
遠藤昌巳(ベース)が加入して、今の4人になって初めての、また谷口鮪が精神の不調による休養から復活しての新生KANA-BOON初のフルアルバム。
先行リリースされた「Re:Pray」や「スターマーカー」からも顕著であるが、とにかく作品全体から強く漂ってくるのは人間の生命力だ。それは時には煌めくような輝きとして、時には力強いバンドサウンドとして。そしてそこにさらに魂を吹き込むような鮪のボーカルも圧倒的に強くなった。生命が終わってしまう一歩手前まで行ってしまったところから這い上がってきた人間だからこそ、このアルバムには確固たる生命力の強さが宿らせることができている。生きている人間にしかできないこと、そのどん底まで行った人間にしか鳴らせないものが確かにある。今のKANA-BOONはそれを自覚的に鳴らそうとしている。今年ライブを見た数え切れないくらいいるバンドの中で最も生命力を強く感じたのはこのバンドだったし、そのバンドだからこそ作ることができた作品。
関連記事
ANDYSHANTY andymori
『愛してやまない音楽を』が2013年のライブを中心にセレクトされているのに対し、こちらは2011年のライブテイクを中心にセレクト。もちろんそれぞれにそれぞれの魅力があって、でも変わらずにandymor …続きを見る
ファンクラブ ASIAN KUNG-FU GENERATION
今までのポップなアルバムとは一転。内向的で陰鬱な雰囲気に面食らうと思う。しかし、聞けば聞くほどにただ内向的なだけではないことがわかっていく。
私もこのアルバムの真の良さが理解でき …続きを見る
伝説の夜を君と a flood of circle
懸念点は一つだけ。昨年この年間ベストで1位に選んだ「2020」があまりに凄すぎただけに、それと比べたら見劣りしてしまうかもしれないということ。
しかしながら佐々木亮介の弾き語り的なアルバムタイトル曲 …続きを見る
Just A Boy LONGMAN
愛媛県のスリーピースパンクバンド、LONGMANのメジャーデビューアルバム。パンクバンドのメジャーデビューは割とインディーズで早い段階から話題になってそのままメジャーへ、というパターンも多いが、このバ …続きを見る
YOU NEED FREEDOM TO BE YOU 9mm Parabellum Bullet
正直言ってライブでリリース前の「カタルシス」を聴いた時は「ちょっと難解な曲過ぎないですかね…?」と思っていたし、だからこそその時に製作中だと言っていたこのアルバムがどんな内容になるのか全く予想がつかな …続きを見る