/ 2025/03/11
前々作の「PANDORA」もこのランキングで3位に選出したという意味ではgo!go!vanillasがどれだけ名盤を生み出しまくっているバンドであるかということが伝わってくるだろうと思うが、2作目で「Chameleon Lights」というタイトルのアルバムを出したのが最大の伏線だったということが今になってわかるくらいにその音楽性をさらに広げたアルバムとも言える。
それは憧れのロンドンに赴いてレコーディングされた(「PANDORA」に「倫敦」という曲があったのも伏線?)先行シングル曲「SHAKE」などに顕著であるが、このアルバムを名盤たらしめているのはそうした今までのバニラズからしたら変化球的な曲の精度が上がったことによって、「Super Star Child」や「Moonshine」というバニラズにとってのストレートと言える曲の威力がさらに増したこと。つまりは大谷翔平のようにスイーパーが決め球になったことによって、ストレートの速さがより生きるようになったということ。変わらないでいるのが美徳というようなロックンロールというシーンから出てきたバニラズは今でもレコードを掘りまくっているメンバーの深すぎる音楽愛によって、ロックンロールバンドとしての存在意義を更新するようなバンドになった。初めてライブを観た時にこんなに凄いバンドになるなんて全く想像していなかった自分の甘さを痛感させられるくらいの名盤。
関連記事
Chedder Flavor WANIMA
パンクシーンだけに留まらない支持を得ながらキャリアを重ねてきたパンクバンドは支持だけでなくサウンドもパンクに留まらないものを得ようとする。というかそうして進化しようとする。それは経験や技術を重ねたこと …続きを見る
Convicted Cryptic Slaughter
ハードコアとメタルが融合した80年代クロスオーヴァーの中でも異質中の異質なCryptic Slaughterの1st。速いという次元を余裕で超えているドラミングはもはやギャグレベル。しかもそれほどテク …続きを見る
朗らかな皮膚とて不服 ずっと真夜中でいいのに。
昨年フルアルバム「潜潜話」をリリースしているが、その先行作としてリリースされた「正しい偽りからの起床」「今は今で誓いは笑みで」という2枚のミニアルバムで感じた期待度からすると、年間ベストクラスのアルバ …続きを見る
ホームタウン ASIAN KUNG-FU GENERATION
どんなに安いスピーカーやイヤホンでも、一聴すると音質の良さにびっくりすると思う。「日本の録音技術の伝道」や「海外との録音技術の差を埋める」といったゴッチの使命感のようなものが産んだ、音質の化け物みたい …続きを見る
サーフ ブンガク カマクラ ASIAN KUNG-FU GENERATION
アジカンのフロントマン、後藤正文氏がインタビューで「一番好きなアルバム」と語っている本作。
「江ノ電」という明確なコンセプトがあり、江ノ電を藤沢から鎌倉まで乗 …続きを見る