/ 2019/06/17
昨今のブームもあり、このバンドといえば『オペラ座の夜』であり『ボヘミアンラプソディ』となる向きが多いが、彼らには所謂駄作と呼ばれるアルバムが1つも無いと言っていい。賛否分かれるであろう80年代の作品たちも、様々な問題と戦った結果であり、そんなことを抜きにしても未だ感銘をうけるものばかりだ。
そしてこのアルバム。
ジャケットの色合いもあり、ややダークかつ地味な印象で語られることも多い作品だが、特に初めて聴くオリジナルアルバムとしては圧倒的にオススメしたい一枚である。
彼らのアルバムはどれも多彩だが、この作品はすべての曲が別の方向を向き、かつ高い次元で輝いている。一曲一曲が足りないパーツを補うかのように一枚の作品を構成している。
五角形のパラメータで表すならば西武時代の松井稼頭央のごときバランスの良さ。
アタマのTie your mother downのハードロックバンドとしてのインパクトと、Long Awayの美しさやスケールの大きさ、Somebody to Loveのゴスペル的なダイナミズムや、懐かしのラヴァーボーイのPOPSとしての完成度、teo toriatteの繊細さなど、これ程まで異なる向きの曲が並ぶがどこか統一感を感じるのは、その楽曲の持つクオリティの高さだけによるものだけではなく、四人が持つまさに「Magic」の賜物なのであろう。
関連記事
アラビアの禁断の多数決 禁断の多数決
このアルバムがリリースされた当時、僕は2ちゃんねるのまとめサイトをやっていた。
もう2ちゃんねるのことを知らない人も多いかもしれない。
2ちゃんねるというのは匿名掲示板の集合体で、要は全員が匿名の …続きを見る
Point Fourteen Debris MARSBERG SUBWAY SYSTEM
THE PINBALLSをZepp DiverCityという大舞台をもって活動休止させた古川貴之らによる新バンドの初のフルアルバム。とはいえ何か全く違う音楽性に挑むのではなく、ロマンチックな歌詞も、ギ …続きを見る
ワールド ワールド ワールド ASIAN KUNG-FU GENERATION
アジカンのCDジャケットのイラストレーターを務めているイラストレーター、中村祐介氏に「もうアジカンのジャケットは描けない」と言わしめた到達点のアルバムであり心理的ターニングポイント …続きを見る
おいしいパスタがあると聞いて あいみょん
前々作『青春のエキサイトメント』は自分の中の「売れたい」だとか「知ってほしい」という貪欲さが表れたアルバム、前作『瞬間的シックスセンス』はブレイクスルーのギラギラ感が表れたアルバムという感じで、人間の …続きを見る
Hello my shoes 秋山黄色
シングルはもちろん、このベストディスクにはあまりミニアルバムを入れない。それは意図的にそうしているというわけではなくて、良い曲が5曲入っているミニアルバムよりも15曲入っているフルアルバムの方が評価は …続きを見る
THE SIDE EFFECTS coldrain
もはやラウドロックというジャンルが隆盛を極めてきた、というよりもだんだんと大きなステージに立てるバンドとそうではないバンドがハッキリしてきたように感じる。一口にラウドと言ってもそれぞれのバンドの戦い方 …続きを見る