/ 2014/10/15
アルバムは1曲目から聞くのがミュージシャンの願いであるけれど、僕は「愛してるってゆってよね」から聞いた。CDをパソコンに取り込んで、興味の引いたタイトルをクリックしたから。
びっくりした。銀杏BOYZじゃないCDを取り込んだのかと思った。中盤に峯田のボーカルが聞こえたけれど、それでも銀杏BOYZの音楽だという確信が持てなかった。それほどまでに従来の銀杏BOYZ像とかけ離れた音像がそこにあった。
「I DON’T WANNA DIE FOREVER」でもその混乱は続いた。ようやくはっきりとボーカルが聞こえ、これが今の銀杏BOYZなんだと知った。
これが「僕たちは世界を変えることができない」と歌う人間が作るアルバムなのかと思った。
いまの30代男性の半数には青春時代にゴイステがぶっ刺さっている。
当時の衝撃が脳から離れず今も峯田を追い続けている。
まさかその衝撃を超える体験をするなんて思っていなかった。しかも年をとってあらゆる感度が落ちたにも関わらず。
峯田は今でも世界を真っ二つに軋ませ続けている。
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