/ 2020/03/01
            
          それこそ「これぞフレデリック」と言えるような、シュールは歌詞のダンスロック「スキライズム」も収録されているとはいえ、このアルバムでフレデリックが目指しているのはその「これぞフレデリック」というようなイメージからの脱却と、新たなフレデリックらしさの構築だろう。
そうした今までのフレデリックらしい曲に比べるとはるかにテンポの遅い、狂騒的なダンスチューンではなくリズムに合わせて体を揺らせるような「LIGHT」から始まるということがそれを最も示しているが、本人たちもインタビューにおいて「「オドループ」がなくても成立するようなライブを」と発言しているように、バンドの視線ははるかに先を見据えている。
そうした視線の変化はともするとファン層の入れ替わりを招いてしまう可能性も孕んでいるけれど、フレデリックをダンスユニットではなくてロックバンドたらしめる上でこれまで以上に重要になるのは赤頭隆児のギターであると個人的には思っている。
「夜にロックを聴いてしまったら」、踊らずにはいられない。
関連記事
Sheer Heart Attack Queen
      このアルバムも筆者が生まれる何年も前の作品だし、ましてや当時のライブでの演奏は映像でしか観たことがない。
しかし、現在の最前線の新譜に刺激を受けることと同様に、数十年前の作品を改めて聴き、新鮮味や衝      …続きを見る
    
    
  SUCK MY WORLD THE ORAL CIGARETTES
      かっこいいバンドであるということはデビューミニアルバムの「オレンジの抜け殻、私が生きたアイの証」リリース時からわかっていたが、ことフルアルバムとなるとこれまでどこか物足りないような印象をTHE ORA      …続きを見る
    
    
  2020 a flood of circle
      19位に選出した、佐々木亮介と青木テツによるSATETSUのアルバムは明確に「対コロナ」を意識したアルバムであるということを書いた。タイトルだけ見たらそれ以上に対コロナを意識したように見える本隊のa       …続きを見る
    
    
  EAT THE ELEPHANT A PERFECT CIRCLE
      メイナードの別プロジェクト、toolとともに長年沈黙を続けていたa perfect circleの、『eMOTIVe』以来14年ぶりとなる新作。前作でジェームス・イハが加入し話題となったものの、レコー      …続きを見る
    
    
  Super Guitar Disney Various Artists
      この手のオムニバスものカバーアルバムは、一時期は闇雲に数がリリースされ、コンセプトにより同じような人選でクオリティ的にもあまり面白みが無いものが多かったが、近年は企画もしっかりして内容も良いものが世に      …続きを見る