/ 2023/12/28
一聴した瞬間に「パンクだ」と思った。いや、SiMは元々レゲエパンクを掲げてきたバンドなんだから当たり前だろうと思われるかもしれないが、今までとはまた違うパンクさを感じたのがこの「PLAYDEAD」である。
それはコロナ禍にはモッシュやダイブ禁止というルールを誰よりも厳格に守ってきた理由をMAHが
「パンクとは最大の防御である。自分の中の大切なものを、どんなことがあっても守り抜くこと」
と言っていたことによって感じるパンクさでもありつつ、その時期を超えて守りながらも攻めているという最強のディフェンダーでありアタッカーであるようになったSiMの今のパンクさが冒頭から溢れ出まくっており、最後には「進撃の巨人」のタイアップとしてこのバンドの存在を世界に羽ばたかせた曲が待ち構えることによって、巨人たちと戦ってきた登場人物たちを、コロナ禍で戦ってきたバンドや音楽ファンを優しく包み込んでくれるかのような流れは感動的ですらある。
それ以上曲に触れないのは歌詞カードに記載されているMAHの曲解説を読んでしまうと自分なんぞが語れることがないからであり、是非ともその解説を読みながら聴いてほしい、つまりはCDとして買うべきパンクアルバム。
関連記事
Bee side Sea side ~B-side Collection Album~ UNISON SQUARE GARDEN
近年、アーティストが周年イヤーを迎えるとほぼ確実にベスト的なアルバムがリリースされる。今年結成15周年のUNISON SQUARE GARDENも例に漏れず記念アイテムがリリースされたが、かつての企画 …続きを見る
Convicted Cryptic Slaughter
ハードコアとメタルが融合した80年代クロスオーヴァーの中でも異質中の異質なCryptic Slaughterの1st。速いという次元を余裕で超えているドラミングはもはやギャグレベル。しかもそれほどテク …続きを見る